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このままの世界でもいいのかなっ

数年の月日が流れた。落第する事も無く成績はどれも満点だった。

知力カンスト値と脳内エヴァーノートで試験にも苦労する事が無い。

絵に書いたような優等生だった。


「ミランダ様素敵!」

「ミランダ様と一緒に過ごせるなんて感激!」


皆に尊敬される優等生、ミランダ=アーバンツ。


……

…………


何かが足りない。


「カミカ、カミカ!」

部屋に帰ると、カミカとヨークがトランプをしていた。

脱衣ポーカーをしていたのか、二人共下着姿だった。

「私のチートパラメータが活きてないような気がするんだけど!」

「ぶっちゃけ、あんまり活きてないしねっ」

ぶっちゃけやがった……。

薄々気付いてたんだけど、ストレートに言われるとキツい物があった。


「だって、ミランダは普通に優等生してるだけだからねっ」

「何が足りないの?転生物語って言うと、もっとワクワクする物じゃないの?」


カミカは、ふむと少し考えて言った。

「例えば敵なんだけど、翼主人公があんまり力を持ってないしねっ」

「ボク、力を持っててもミランダの事好きだから戦う気ないよ!」

下着姿のヨークが上目遣いに頬を赤らめて好きだと言う。

威力抜群の攻撃だった。押し倒したい衝動を抑えて、カミカの方へ目を逸らす。


「他に無いの?」

「恋愛要素かなっでもミランダは男性に触れないから百合しかできないけどねっ」

「ボク、ミランダとならいけない関係になってもいいよ!」

……ヨークはチョロすぎると思うんだ。

開始からすぐ攻略済って、どんだけチョロいんだよ……。


「他の敵とか居ないの?」

「居ないよっ」

「魔力とか、活かせる事ないの?」

「便利な魔力を使った魔道具とか作れるよっ」

火を出せても戦う事が無い。

魔力があれば魔道具に色々な機能を持たせられるけど、それも微妙すぎる……。

知的好奇心も一度見ただけで覚えられて応用できるけど、それも微妙感が漂う。

凄いとみんなから賞賛されるけど、それも虚しさしかない。


だって……


この世界は俺とヨーク、カミカと令嬢二人以外は意思の無いモブだから……。


「ねえ、ヨーク。何で貴方はこっちの世界に来たの?」

「ボク、子供を救って死んじゃったみたいだよ」

その子は元気にしてるといいな、とヨークは綺麗な笑顔で微笑んだ。


「ミランダは、前世どうだったの?」

「うん……記憶が無いんだよな。男だったって事しか解らない」


「あ、ヨークが救った子供がミランダだからねっ」

カミカが何ごとも無いように付け加える。


「そっか。ボクが救った子供はこんなに元気に……え?」

「「ええ……!?」」


伏線が意味も無くぶっちゃけで回収された。


「あ、そうそう。転生順に名前を並べるとね。『良く見るんだ、実はOS』って文になるんだよ」

「「ヨーク、ミランダ、ジツハ、オーエス……!?駄洒落だったの!?」」

「CentOSとUBUNTU、序盤に出たメイドはKnopixからもじってるんだよっLinuxだねっ」

変な名前だと思ってたんだ。

「爆薬令嬢も悪役令嬢と語呂が似てるってだけのやっちゃった感が満載だしねっ」

「「駄洒落のためだけなの!?」」


車道によそ見をしていて跳ねられかけた男の子。

男の子を庇って車に轢かれた少女。


自分は誰だろう。記憶、という物がばっさり切り離されたような気がする。

記憶する程の思い出が無かっただけだった。


「そう、転生。えっと、君の名前は******だねっ!えっと、子供を救おうとして事故にあったんだねっ今度の転生はポイントが有利になるよっ」

子供を救おうとして。

子供を救って事故にあった、ではなかった。

君ははただ、子供を救おうとしただけだよ。


救えた訳じゃないんだ。救おうとしただけなんだ。


そういうカミカに、ミランダとヨークは見つめ合った。

「本当はね、もっときちんとした世界を作りたかったんだよっ」

悲しそうにカミカが言った。急な事だったから、ごめんねと

モブばかりだったのも、そういう事だったんだ。


カミカは薄く笑った。

「ここはボクの気まぐれの世界であり、ミランダとヨーク。君達の世界でもあるんだよっ。もう君達のポイントはないけど、最後におまけをしてあげるっ君達の望み通りの世界にしてあげるよっ」

そうすれば、ボクはこの世界での仕事は終わり。青い世界で待ってるよっ

そういうカミカは、少し寂しそうな顔をしていた。


私とヨークは、頷きあって答えた。


…………

「ヨーク、ちょっとそこに立って」

「ふぇ、何ミランダ?」

「爆発しろ!」

ヨークの目の前で爆発が起きた。

「使い魔を使えば魔力を爆発力に変えてこういう事もできるのね」

「ミランダ、危なかったよっ!?近寄ろうと一歩寄ってたら爆発に巻き込まれて怪我してたかもしれないよっ!?カミカ、こういう爆発補正は使えないようにできないの!?」

「あははっ無理だよっ!ボクはもう力が無いしねっ」

カミカは塩ビスケットを頬張りながら、笑っていた。粉が飛び散って汚い……。


「「望み通りの世界?このままでいいよ」」


~Fin~

最終話です。気が向けば番外編を落とすかもしれません。

全部見て頂いた方、ありがとうございました。

思いつきで10話くらいで完結させようと思っていた話ですが、思っていたよりも見て下さる方が多くて、嬉しかったです!

また、次のお話でお会いできると幸いです。

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