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モブ女、現る

 晴れて私立泉が丘学園高等部に入学するこの日。

私はすべてを思い出した………。







 私、崎谷成実サキヤナルミはいわゆる普通の女子高生だ。

(入学したのが今日なので、女子高生という響きにむず痒さを覚える)


 成績はほぼオール3で、得意なのは文系だけど理系と英語がからっきしダメ。

ならスポーツが得意かというと、唯一得意なのは持久走のみ。

それだって足が速いとかいうわけでもなく、ただ持久走を普通のタイムで完走できるといった程度。

容姿が可愛いわけでもないし、すごく体型がいいといったわけではない。

むしろ背は小っちゃいのに(150cm弱)、胸がEカップもあるので太って見えるのが難点。

きっと小説や漫画なんかにいたらモブ3くらいの扱いだろう。

実際、友達も少ないし。



 そんなどこにでもいるモブ女の私にも、一つだけ普通じゃないことがあって。

それは幼馴染が、いわゆる特殊な部類に入るということ。



 幼馴染の名前は姫宮夏輝ヒメミヤナツキ

女みたいな名前だが、健全な高校1年の男。


 なにが特殊かというと。

奴のスペックが特殊なのだ。


 勉強をやらせれば学年1位は当たり前。

運動も全てをそつなく………というか、一流選手並みにこなせる才能を持っていて。

容姿もまた、女子に言わせれば極上らしい。

少しだけ茶色がかった黒い髪に、吸い込まれそうな黒い瞳。

背は180cm少々あり、マッチョというわけではなくいわゆる無駄な筋肉がついていない引き締まった身体。

腕と足が長くて、私の親友に言わせれば色っぽいとかなんとか。



 そんな完璧男を幼馴染にもつ私は、普段から苦労が絶えないのだけど。

目立たないように生きてきたので、幸いいじめとかには合っていない。

むしろ奴の隣に立ってるせいで、奴の光にのまれて私は目立たないのだと思う。

いいんだか悪いんだか。



 いや、……いいに決まってる。

私の想いにすら、陰になって呑み込んでくれるのだから。



 この私立泉が丘高校を選んだのも奴のせいだ。

夏輝が一緒の高校に行こうとか言って、私にスパルタな受験勉強を強いた結果。

私立の名門校に、なぜか補欠とはいえ合格してしまった。

……普通の家庭には、ここ高すぎるんですけど・・・お値段が。


 泉が丘は自由な校風と可愛い制服で人気の学校だ。

初等科からあるせいか内部進学組も多くて、外部の門はかなり狭いのだけど。

 でも内部から進学するにも受験があるらしいので、名門校にふさわしく偏差値は高かったりする。


 よく入学できたよね、いやホント。


 私は自分のクラスを確認して(夏輝とは同じクラスだった、ちっ)入学式が行われる体育館についた途端、すべてを思い出した。





 ……ここが、昔やったゲームの世界だということを。



 いきなりの記憶の氾濫に、私はめまいをおこしそのまま意識を失った……。

お月見での連載作品に行き詰った結果、ノリと勢いで始めました(汗)

誤字脱字報告待っております。

ちょこちょこ改稿していきますが、内容は一切変えておりません。

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