弱気な人間の葛藤
僕が就職に失敗してから、時は流れた。そして、それ以来僕には何の変化もない。
死にたいと思うようになったのはいつごろからだろう。思えば、遠い昔からずっとそう思ったまま、いままで生きながらえている。
生まれてきてから、誰に対しても共感することなく、また、反感を買うこともなかった。つまりは、誰にも興味を抱かず、抱かれなかった。
こんな僕は、意味があるのだろうか。この世界に存在することは意味があるのか。
年間、この国では、三万人以上が自殺している。自分もその一人に加わりたいと願い始めて、何年が経っただろう。
結局、僕は臆病なのだ。死ぬこともできずに、ただ、毎日を無駄に過ごしている。ただただ、あてもなく、無計画に生活し、何の楽しみも見いだせずに、時の流れに身を任せる。
僕って本当に救いようがないな。
でも、死ねないんだ。死ぬのが、怖い、怖いんだ。でも、この世界で生き続けるのも嫌だ。じゃあ、どうすればいいんだ。
毎日、世界の不条理を感じて、誰からも存在を認められず、穏やかに苦しみ続けている。そして、世界を憎みながらも、完全に決別することもできない。
誰か、僕を救ってくれないか? 恐怖心を抱くことなく、この世から消し去ってくれないか?
そうだなあ、苦しむことなく、一瞬で意識することなく死ねたら幸せだな。気が付いたら、車に轢かれて、脳が完全にぐちゃぐちゃになって痛みも感じる間もなく、即死できたら……
気が付いたら、もうこの世にはいない。
ああ、なんて素晴らしいことだろう。
あるいは、薬漬けになって、自分が誰かさえも忘れてしまえたら、楽になれるかもしれない。そのうち、きっと中毒死する。自分がどんな状態にあるかさえ、忘れて、気が付いたらあの世にいる。
それも素晴らしいかもしれないな。
でも、僕は臆病だ。それすらも、怖い。どうして、僕はこんなにもチキンなんだ。
結局、僕は家を出る。今日という時間を無為に過ごすために。
初めて書いた短編ですが、なかなか暗い話になってしまいました。
自分の心の闇を吐き出してしまおうとして書いたものですが、またまた、微妙な出来になってしまいました。自分の未来はこんなになっては欲しくないですが、今の世の中、覚悟は必要かもしれません。