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ファントム、夢を見る
その日は、朝から冷たい雨が降っていた。
「私を、殺してほしい」
目の前の男は、静かにそう言った。それが彼の任務であったし、躊躇う必要などどこにもない。
だから、銃を構え彼の頭を撃った。
響く銃声と同時に、彼の後ろにあるドアが開かれた。
立っていたのは、十歳を少し超えたくらいの少女。彼女の真っ白な服に、赤い血が飛ぶ。
彼女の顔は──。
「……朝か」
時計を見れば、アラームが鳴る5分前。
夢か、なんて言うつもりはない。あれは夢ではないのだから。
「走るか」
代わりにそう呟いて、ベッドを降りた。




