表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第二王女と次期公爵の仲は冷え切っている  作者: 山法師


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/28

 エピローグ(?) 初めてもらった花だった。

 花をもらった。


 今まで色々な人から様々な花をもらってきたけど、この(・・)花をもらうのは初めてだった。


 それも、自分の婚約者から。


 この花をくれるの。そう。

 この花があなたの気持ちなの。そう。


 そんなの分かってるのに、丁寧に教えてくれて、どうもありがとう。


 嫌味なほど優しいのね、私の婚約者様。


 無関心。どうでもいい。

 この花の花言葉を、知らない訳がないでしょう?


 母の国ではとても有名だもの。


 だから、この花だけは誰も私に贈ったりしないと、違う花ばかりくれるのだと、思っていたけれど。


 自分たちは協力関係にあるだけだ、勘違いするな。


 そういう意味でしょう?


 ええ、ありがとう。

 受け取ったわ、あなたの気持ち。


 分かりきってることを、念を押すように教えてくれてありがとう。


 優しい(ツラ)しか見せないあなたを、私もどうでもいいと思ってるわ。


 けど、少し見直したわよ。

 優しいカオして嫌味を伝える、そんな人間味があなたにもあったのね。


 違う花言葉があるのも知っているわよ、当然でしょう。

 それらが私たちに当てはまらないことも分かっているわ、馬鹿にしないでちょうだいね。


 ええ、本当に。


 あなたがくれたこの花、気持ち、ちゃんと受け取ったけれど……ねえ?


 そんなの分かりきってるから、嫌になるほど思い知っているから、私には必要ないの。


 目の前で引き千切ってやりたかったけど、さすがに体裁が悪いから、やめたわ。


 丁寧に持って帰って、丁寧に引き千切って、丁寧に燃やして、ちゃんと灰にしてあげたわよ。


 優しい顔だけ見せて優しい言葉だけかける、私なんかどうでもいい、私の婚約者様。


 もう一度、同じことをしてくれたりしたら、分かってるわよね?


 今度こそ、あなたの目の前で、この花(イベリス)を引き千切ってあげる。


 楽しみにしてて。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
シャーロットの姉姫の名前間違えてました。ミラでしたね。失礼しました。
1度目で気がつかない、私のバカ!この『エピローグ(?)』は、誰あろう、シャーロットの姉「妖精姫」セラの独白だったのですね。セラと婚約者の関係を、私の感じた悪意のセラの本性を表すものだったのですね。今さ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ