沈黙の園

一之清鈴（いちのせ　りん）と、二条美由紀（にじょう　みゆき）。
どちらも、１７歳の高校生。
彼女らは、わけあってパートナーと別れた父親、あるいは母親と、二人で暮らしている。
物語の始まりは、ある寒い晩秋の風の強い一日。
将来の選択をジリジリ迫られる彼女らは、まだ自己の道を見出しておらず、模範に出来る友人が身近にいるということもなかった。
卑しさや浅ましさがはびこり、輝ける価値観の乏しい時代にあって、彼女らは、だが、光への視線を捨てずに、自身が踏み出すべき先を純真に希求する。