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俺は食べながら飲酒していたので、
コース料理、飲み放題の、この会は胃袋を満たすにはパーフェクトであった。
俺は、ほぼ飲み食べに集中していた。
チラリと狩野を見るが彼も、そうであった。
…だから、俺は己の皿とグラスを見ながら、
狩野に聞いた。
「…狩野、なんか、あったん?」
俺の感である…どこか狩野は元気がない…と目星をつけて述べた一言であった…。
狩野の声を聞いた。
「…0歳時から一才時までの一年と、
39歳から40歳までの一年は物理的には全く変わらない……僕は、この歳まで、ただ一人の伴侶を得ようと、それは努めたのに……それが現在における、この僕の低落……」
狩野が話している最中に俺は言った。
「おまえ、カッコつける時にカッコつけすぎや!
86乗ってリーガルのジャケット羽織ってニッチもサッチもいかなくなり一人引きこもって今度はコルベット乗ってアルマーニのジャケット羽織りシティズンの時計して……普段、めっちゃダラシノナイ御前なのに!!!」
狩野が俺をキーッ(#`皿´)と見て言う。
「このジャージ、アディダスだよ!!!」
そこで後ろから俺は笑い声を聞いた。