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当時、若かった俺は、
己は、(…まだ何でもヤれる!)という気持ちが半端なかった。
それも追い風になり、
現在に至る…。
俺に理解ある女房と息子一人とアパート暮らしをしていた。
つまるところ、俺は転職は一回なのだ。
今までの己の社会人生活が順風満帆だとは決して言えない。
仕事でグロッキーな時、
上司から叱咤激励された。
「私は君ぐらいの齢な時、休日は競馬場行って外れてはタバコ吸って、また馬券を買っての繰り返し…」
「本当ですか、課長!?」
課長こそはエリート街道、まっしぐらな男であると思っていた。
自身を持ち直し、建て直し、その時の課長は部長になり、俺は係長になり日々、忙しなく仕事に俺は追われていた。
一人息子は、まだ幼く妻が忙しい時、俺は天気が良ければ決まって公園に行く。
おっとりした子であった。
運動回路というのは幼子の時の運動がキーであると俺は何かで読んだ。
俺は鬼になり、息子を追いかける。
息子は走る、笑う…そして、時に転ぶ…。
三人でアパートで夕飯を食べている時、
家内が息子に聞く。
「ひーくん、なにか、習いたいことある?」
息子は、
うーん、う~~ん…と考えるが結局、何も言わない。
子供が就寝後に俺と妻は色々話す。
それが最近の日課になっていた…。