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ネットニュースを隙間時間に閲覧していた。
39歳でプロボクシング20戦20勝20KOの猛者がいる……
キックボクシングと総合格闘技のダブルチャンピオン……
もう、やわなフィクションで俺のハートは動じない。
10代でオリンピック代表内定……
《肉体的なピークは、何処にあるのか…?》
そんな至って私的な思考は就寝する前だけにする。
俺はバリバリ株式会社で働いていた。
己の父親というのが俺には一定の見本であった…。
地元の専門学校を卒業した俺は、そこでの先生の口利きで、とある土建会社に就職した。
社員12名、男10人、女2人であった…。
入社時より回りの言うように俺は職務をこなす。
その甲斐あってか、一年後には場に馴染んでいた。
ある時、己の内から、疑問が。
(…俺は、このままでいいのか?)
両親の反対を押しきり退社する。
再就職に向けてリスタートを切った俺に父が言う。
「職を変えれば変えるほど窮地になるぞ!」と…。
俺は実家に住んでいた。
実家は『街』にあり、俺は自身で考え抜き、『都市』にある会社に就職した。
父のアドバイスを受け流したわけではない。