今後について
黒千が帰った後、眠る弟の側で朝日奈茜は今後について考えていた。
もちろん議題は正のハーレムについてだ。
周りの人間は本気にしないかもしれないが、朝日奈茜は真面目にハーレムを目指していたのだった。
現状、確定しているのは私と高橋美羽の2人だ。
次に仲間に入れるか悩んでいるのが、橘樹と黒千である。
橘樹は性別は男であるが本気で正を好きなようだ。
正直、ハーレムメンバーに男を入れるのは嫌なのだが正の一般的な常識を壊すのには丁度良いと思っている。
黒千についてはハーフという点から多様性を重視するとハーレムメンバーに入れるのも悪くはないと思っている。
さて、ここで悩んでいるのが岩井咲だ。
ハーレムメンバーに看護師や医者を入れるのは大賛成なので、岩井咲を入れたいのだが素直にメンバーに入ってくれるか‥。
看護師は是が非でも仲間に入れたい!
その為にも、どんな手を使ってでも岩井咲を仲間に引き込む!!
朝日奈茜は決意する。
* * * *
朝日奈茜が岩井咲をどうやって仲間に引き込むか悩んでいる時、当の本人は朝日奈茜に心酔していたのだった。
見た目の美しさ、毅然とした態度、病院でミニスカナースになる行動力と勇気。
そしてトドメなのが弟の禁断の恋。
常日頃、看護主任の浜田にこき使われて憔悴していた岩井咲にとって朝日奈茜は憧れの人物であった。
この時点で岩井咲は朝日奈茜に落とされていたのだ。
* * * *
悩みの多い朝日奈茜にとって、願ってもない時間がやってきた。
「さぁ、お風呂の時間よ。」
朝日奈茜が嬉しそうに告げてくる。
ちなみに正が入院している病室は個室でシャワールームが付いている。
「え?
俺、肺炎だけどお風呂入れるの?」
正が茜の言葉に驚く。
「熱が無ければシャワーなら浴びれるみたい。」
茜の言葉に正の表情が明るくなる。
それもそのはず、熱を出した日からお風呂に入れてなかったのだ。
「まずは熱を測りましょう。
看護師さんを呼ぶわ。」
茜はそういうと正の枕元にあるボタンを押して、看護師を呼びだす。
数分後、岩井咲がやってくる。
「それでは、熱を測ります。」
シャワー浴びたいと伝えると岩井咲が熱を測ってくれた。
「‥‥‥‥‥平熱ですね。」
結果は平熱であった。
「よし!」
正は喜ぶとシャワールームに入るのであった。
* * * *
「あ〜気持ちいい!」
正は頭を洗いながら、喜んでいた。
「背中、洗ってあげる。」
「ありがとう!
って、何でお姉ちゃんが入ってるの?」
当然、背後からお姉ちゃんの声が聞こえてビックリする。
「何でて、正に何かあったらどうするの?
これは付き添いのようなものだから恥ずかしがらなくていいわよ。」
お姉ちゃんに付き添いと言われると無下には出来なかった。
「じゃぁ、宜しく。」
背中はお姉ちゃんに任せることにする。
朝日奈茜は以前と同じように胸で背中を洗おうと思っていた。
ここでボディソープを忘れた事に気がつく。
すぐに取りに行こうとした瞬間、声をかけられる。
「茜様、ボディーソープです。」
何故かシャワールームに岩井咲が立っているのであった。




