青天の霹靂
クソッ!
あの保険医のせいで結局早退出来なかった。
こうなったら放課後、アイツの家に押しかけよう。
オレはダッシュする用意をして放課後になるのを待っていた。
他のメンツも同じ考えのようだが、今回は負けるつもりはない。
多少実力行使するが仕方がない。
さぁ、早く終わらせろよクソ教師。
「それでは、今日はここまで‥
あっ、大事な事を言い忘れてました。
朝日奈くんのご家族から、風邪をうつしたらいけないのでお見舞いには来ないようにと事付けを預かってました。
くれぐれも朝日奈くんの家に行かないように。
では、ホームルームを終わります。」
担任はそそくさと教室から出て行った。
はぁ?
お見舞いに来るなだと!
ケッ!
どうせ、あの性悪女の差金だろ!
そこまで言われると逆に行きたくなるぜ。
オレは席を立つと教室から出て行こうとする。
「あ〜今回は諦めるか。」
馬鹿姉妹の1人が呟きだす。
え?
ゴキブリみたいにしぶといコイツが諦めるだと!?
オレは諦めた理由が知りたくなったので、忘れ物をしたフリをして自分の机に戻った。
「え?お姉ちゃん、諦めるの?」
妹が姉に質問している。
ナイス!妹!
「諦める!
ここで無理に家に押しかけて、正に嫌われたくないからな。
無理は禁物だ。
焦ったら負けだよ。」
馬鹿姉が両肘を机の上に立て両手を口元で組んで、どっかのゲンドウのようなポーズを決めている。
ガーーーン
オレは衝撃を受けていた。
えーーーーーーーーー!
馬鹿姉にそんな知恵があったの??
マジで!?
これはマジでショックだ!
さらに幼馴染やギャル、ハーフも押しかけるつもりはないようだ。
オレは自分が恥ずかしくなり、気落ちした状態で家に帰った。
* * * *
翌日
オレは昨日のショックをまだ引きずっていた。
こんな時はアイツの明るい声を聞くのが一番だ。
今日は登校してるといいな‥。
風邪が1日で治るとは思わないが、僅かな望みにかけてみた。
‥‥‥‥
やはり登校していなかった。
アイツの机には誰も座ってない。
はぁ‥テンション下がるぜ。
あっ、担任が入って来た。
もうどうでもいい。
「皆さん、おはようございます。
ホームルームを始めます。」
担任がホームルームを始めだす。
オレはやる気がないので机に倒れ込んでダラダラしていた。
「朝日奈くんですが、風邪を拗らせて肺炎になったようで入院するそうです。
早く良くなってくれるといいですね。」
!!!!!!!
はぁ?
風邪を拗らせた???
他の奴らも騒ぎだす。
クッ!
オレが看病してたらこんな事にはならなかったのに‥。
オレは昨日お見舞いに行けなかった事を後悔するのであった。




