入院2
「着替えとかはお姉ちゃんが持ってきたから、晶は帰っていいわ。」
お姉ちゃんによって晶は早々に帰宅させられる。
「何かあれば遠慮なく連絡しろよ!」
晶は最後まで優しかったが、何か蓋落ちない気持ちがあった。
「さぁ、邪魔者はいなくなったわね。」
いや、邪魔者って‥
晶は貴女の弟ですよね?
とは口には出せるわけもなく‥
ギュッ
突然、お姉ちゃんに力づくよ抱きしめられる。
「お、お姉ちゃん!?」
ビックリする俺にお姉ちゃんは言葉を続ける。
「ごめんなさい。
今回の件は私が全面的に悪いわ。
学業なんかを優先したせいで正を危険な目に合わせてしまったわ。」
お姉ちゃんが涙を流しながら謝罪してくる。
「何でお姉ちゃんが謝るの?
お姉ちゃんは学生なんだから学業を優先するのは当たり前だよ。
だから気にしないで‥。」
お姉ちゃんの涙を手で拭き取る。
「正は優しいね‥。
そんな正が好きだよ。」
お姉ちゃんがキスをしてきそうになる。
「ストップ!」
お姉ちゃんを手で突き放す。
キスを阻止されたお姉ちゃんは目を見開いて驚いている。
「何で避けるの!!」
お姉ちゃんが激昂する。
「何でもクソもないよ。
俺、肺炎だよ?
100%うつらないと決まっているわけじゃないからね。
退院するまではキスはお預け。」
真っ当な事をお姉ちゃんに伝えるが、お姉ちゃんは信じられないものを見たような絶望的な顔になってしまう。
そのあまりの絶望ぶりから、さすがに悪いことをしているような気になってしまう。
「大丈夫、7日の辛抱だから‥。」
そもそも姉弟でキスすること自体どうかと思うのだが‥。
「わかった。
お姉ちゃん、我慢する。」
お姉ちゃんは一応納得してくれたようだ。
「でも、キスは我慢するけど泊まるのは決定だからね。
その為に病院に無理を言って個室にしてもらったんだから。」
お姉ちゃんの無理を言ってという言葉が気になる。
あの、お姉ちゃんが無理を言ったのだ。
きっと無理を言われた人は大変だったろうなぁと思うのであった。
「そういえば、泊まりって最近はさせてくれないじゃなかった?」
以前どこかで聞いたような気がしたので尋ねてみる。
「そうなのよ!
規則だからとか言って、私を正の病室に泊まらせないとか言うの!
もう頭きたから‥‥
この先は内緒。」
うわぁ、その先が気になる。
どうやって規則を捻じ曲げたのかが気になる。
「あっ、家族以外のお見舞いは受付で全て断ってもらう事になってるから安心して。」
お姉ちゃんが笑顔で伝えてくる。
そもそも何の安心なんだろう‥。
お姉ちゃんの目が笑ってなかったので詳しく聞くことはなかった。




