看病2
「何でここに樹がいるの?」
この時間学校に居るはずの親友に声をかける。
「来ちゃった。」
可愛くハニカム樹。
「来ちゃったって‥
可愛いけどさぁ‥」
悔しいけど可愛いと思ってしまう。
「それより、身体大丈夫?
きつくない?」
「身体?
きついけど‥
って何会話を続けてるの?
ってか、どうやって家に入った??」
もしかしてウチの家ってセキュリティガバガバとか?
「どうやって?
そんなの鍵を開けたに決まってるよ。
当たり前じゃん。」
「そりゃーそうだけど。
問題なのはその鍵をどうやって手に入れたかだよ。
うわっ、マジで怖いんだけど‥。」
「そんなに怖がらないで。
鍵はある所から手に入れたんだよ。」
「ある所って?」
「晶くん。」
あの馬鹿。
「大丈夫、合鍵は作ってないから安心して。」
こわ!
その発想が怖いんですけど‥。
「とにかく、ボクが来たから安心だよ。」
親友が薄い胸を叩く。
「安心というか‥
学校はどうした?
まさか俺の為にサボったのか?」
「今日は創立記念日で休みだよ。」
樹が視線を逸らしながら嘘をはく。
「騙されないから。
知らないかもしれないけど、俺も同じ学校に通っているからね。」
俺は樹の目をしっかりと見つめる。
「だって、正が心配だったから‥
別に皆勤賞とか狙ってないから大丈夫。
ちょいちょい休むから気にしないで。」
「気にするよ。
俺のせいで学校を休ませてしまって‥。
樹のご両親に申し訳ないよ。」
これは本心である。
「あっ、それなら大丈夫。
ちゃんと両親の許可をとってるから。
ほら、このメール見て!」
樹がスマホの画面を俺に見せてくる。
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| 正が寝込んだって|
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| アンタは何してるの? |
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| 何って学校‥ |
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| はぁ? |
| 馬鹿なの? |
| 絶好のチャンスじゃない! |
| 既成事実を作るチャンスよ。 |
| 風邪で体力ないし押し倒せ! |
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| うん、頑張る! |
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うん、馬鹿親だ!
なに子供を煽ってるの??
「冗談だよね?」
親友に尋ねる。
「‥‥‥‥‥」
うんと言って欲しいな。
「正って、入れるのと入れられるのはどっちが好き?
ボクは入れられる方が好きかな‥。」
「え?
何の話???
ちょっと、樹くん?
何で布団を剥がすの?
ちょっと!
何で俺を押し倒すの???」
俺は樹に押し倒させるのであった。




