呼び出し3
10歳以上年下の高橋美羽に主導権を握られてしまう叶京香であった。
『こうなったら早く帰ろう!』
戦わず逃げることを選ぶ京香。
「あのぉ‥
実はこの後職員会議があるのでそろそろ失礼しようかと‥」
さすがに職員会議と聞けば帰らせてくれるはず‥。
「校長先生、教頭先生、さらには各学年主任さん達は市の教育委員会である打ち合わせに出席される為、今は学校にいません。なので放課後にある職員会議は中止のはずですが‥。」
『嘘!何でこの娘が知ってるの!?』
高橋美羽の方が何枚も上手であった。
「では、先生も早く帰りたいようなので本題に入りますね。」
先程から黙っていた朝日奈茜がゆっくりと口を開く。
さて、何を言ってくるつもりなのか‥
「今後、私と美羽と正でハーレムをつくる予定です。
先生にはそのハーレムに入ってもらいたい。」
「‥‥‥‥‥はい?
ごめんなさい、聞き間違いかもしれないのでもう一度いいかしら?」
きっと聞き間違いだから、今度こそ耳を澄まして聞き取ろう。
「ハーレムつくるから、お前も入れ。」
『うん。聞き間違いではないようだ。』
「ってか言葉遣い!
これでも私、先生なのよ!
さすがに言い過ぎです!!」
年長者として黙ってはいられなかった。
「プッ
気にするとこはそこですか?」
高橋美羽に笑われてしまう。
「あっ、一応教師でしたね?
それは大変失礼しました。」
朝日奈茜が半笑いしながら頭を下げなかった。
「絶対謝る気ないよね?」
私は尚も朝日奈茜に追及する。
「はい、ありません。
それで、ハーレムの返事は?」
『コイツ!謝る気ないのかよ!!』
「もちろん‥‥‥断ったりしません。
是非入れてください。」
私は2人に頭を下げながら考える。
『ヤッタァ〜
こんな激ヤバな事、見逃すわけないじゃん!
ハーレム?
そんなのどうでもいいよ。
配信のネタになるなら何でもいいよ!』
本気でハーレムをつくる為、後々操りやすい大人を仲間に引き入れたかった朝日奈陣営と配信ネタに困っていた叶京香の利害が一致したのであった。
「じゃあ、正くんが高校卒業したら私と結婚するのはどうかな?
茜さん達は2号さんとか?」
飛び切りの配信ネタを手に入れてウハウハでテンションの上がった私は朝日奈茜の地雷を踏んでしまう。
もちろん返事は‥‥
「はぁ?
調子に乗るなよ!」
メッチャ怒られるのであった。




