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双子の挑戦

「お姉ちゃん、目標を確認。」


「妹よ、ラジャー!」


 朝日奈姉弟が登校してきたタイミングで動きだす影が二つあった。


「お姉ちゃん、エマージェンシーだよ。」


「妹よ、何があった?」


「目標の近くにお邪魔虫の姉がいます!

 作戦を中止しますか?」


「我々に撤退などない!

 姉がいるなら目の前で寝取ってやる!!」


 永野姉妹がまるで通信機で話している風を演出しているが、木の陰に隠れて小声で話しているだけであった。


「で、お姉ちゃんに質問。

 作戦ってなに?」


「ジェットストリームアタックよ!」


 姉の紅羽が拳を握りしめ決めポーズをとる。


「え?

 あれって3人でするじゃないの?」


「妹よ、細かい事は気にするな。

 私に任せておけばすべてオッケーだ。」


 姉の紅羽には根拠のない自信があった。


「では、決行する!

 乙羽!

 朝日奈正に正面から抱きつけ!!」


 姉の紅羽が妹の乙羽に命令する。


「え〜

 それはちょっと‥」


 妹の乙羽が急に身体をクネクネしながら照れてしまう。


「大丈夫だ!

 乙羽が目標に触れる事はないから。」


「え?

 どういう意味?」


「いいから、突っ込め!

 校舎に入られたら、こっちが不利だ。」


 姉の紅羽に急かされたせいで乙羽に考える時間がなかった。


「わかった。

 じゃ〜突っ込むよ。」


 まさか自分が囮にされているとは気が付かないまま、朝日奈正に突っ込む。

 姉の紅羽は背を低くしてその後ろを走っていく。


 妹の乙羽が正に迫る。

 さすがにスピードがあると危ないので乙羽がスピードを緩める。


「正くん、おはよう!」


 妹の乙羽が挨拶をしながら正に抱きつきに行く。


ガシッ


 朝日奈茜が乙花の首根っこを掴んでそれを阻止する。


 もちろん、それはブラフだ。


 朝日奈茜の背後から姉の紅羽が正に抱きつく。


 そして‥


 正の唇に‥


 キスをする。


「お姉ちゃん、最後の最後でヘタレたね。」


 妹が指摘した通り、姉の紅羽は唇にキスをするチャンスがあったのに急に恥ずかしくなって頬っぺたに変えたのだ。


「まぁ、唇ではないが目的は果たした!

 ザマァ見ろ!朝日奈茜!!」


 姉の紅羽が目の前で弟にキスをされショックを受ける茜を煽る。


「よし!乙羽こっちにこい!!」


 ショックで力が抜けた茜から逃げ出した乙羽が紅羽の真横にたつ。


「シャッフル!!」


 2人はお互いの腕を掴むとクルクル回ってみせる。


「どうだ!

 どっちがキスをした方なのか、わからないだろ?」


 2人は腰に手を当てて、勝ち誇る。


 ここで、朝比奈茜がショックから立ち直ったのか動きだす。


ガシッ

ガシッ


 永野姉妹の顔を1人ずつ片手で鷲掴みする。


「どっちがキスしたのか、見分けがつくのか?」


 疑問を朝日奈茜にぶつける。


「知るか!

 見分けるとか、どうでもいい!!

 どっちも殺す!!」


 朝日奈茜が鷲掴みした手に力を入れる。


「痛い痛い!」

「私じゃないのに!」


 2人の悲鳴が響き渡るのであった。

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