密談3
二葉沙月も正の事が好きだとわかった事で話し合いが再開される。
「それで、このメンバーで何をするんだ?
俺たちは基本的にハーレムは望まないのだがら、つるむのはおかしいだろ?」
ヤンキーの風間慈愛那がまるで仕込んでいたかのような質問をしてくる。
「それは良い質問ですね。」
二葉沙月が風間慈愛那を褒める。
褒められた風間慈愛那は褒められて満更でもなさそうな顔になる。
チッ、ピュアかよ!
二葉沙月が心の中で毒づく。
「私達は最終的にはライバルになります。
ですが、今のままでは朝日奈茜に正くんを奪われてしまうでしょう。
朝日奈茜は正くんの実の姉でありながら、恋愛感情を本気で持っています。
本来であれば叶うことのない望みですが、朝日奈茜には恐ろしいまでの行動力が備わっています。知能も高く、人望もある。一説には生徒会を傀儡としているとか‥。
とてもじゃないが、我々個々人では足元にも及ばない。
だから、我々は朝日奈茜に対抗する組織を作るのです!
名付けて、反朝日奈茜同盟です!!」
二葉沙月が力説するが拍手しているのは坂田十和だけである。
風間慈愛那は苦笑し、永野姉妹は1人は居眠りし、もう1人は机に落書きをしていた。
若干引き気味であるが風間慈愛那は何だかんだで優しいので二葉沙月の話を笑わず真剣に聞いてくれ、さらには質問までしてくれる。
「で、その反朝日奈茜同盟は具体的に何をするんだ?
まさか、放課後集まって皆んなでトランプをするとか言わないよな?」
風間慈愛那がユーモアまでみせる。
「え?
トランプですか?
そんなのするわけないでしょ。
馬鹿にしてますか?」
二葉沙月には風間慈愛那のユーモアは通じてなく、真面目に返してしまう。
若干怒り気味の二葉沙月に申し訳なさそうにする風間慈愛那であった。
「それで、質問の答えだけど‥
まずは岩田渚、橘樹、鉄千が独占してる正くんの机の周りを奪取します。
これについては担任に直訴するつもりです。
さらにこれが一番大事ですが、正くんに世間の常識を教えます。
ハーレムは駄目。
近親相姦はもっと駄目だと。」
二葉沙月の言葉に風間慈愛那は素直に関心していた。
永野姉妹と坂田十和は何でそこまでする必要があるのかと疑問に思っていたが、下手に質問すると二葉沙月に怒られるかもと思い質問はしなかった。
こうして、初めての反朝日奈茜同盟の話し合いは幕を閉じた。
今まで1匹オオカミで過ごしてきた風間慈愛那にとって、皆んなでワイワイするのが新鮮であり楽しく感じていた。
この後、何度も話し合いは行われるが、風間慈愛那だけは一度も欠席する事はなかった。




