負けられない戦い3
「誰か、立候補する人いない?
対抗リレーだよ。
クラスのヒーローになれるよ。」
担任の言葉に誰も反応をみせない。
「ちょっ、誰もいないの???
え、マジ?
あれ、私たちの時代ならクラスの半数は手を挙げたのに‥」
担任は誰も手を挙げないことに困惑している。
「よし、わかった。
立候補が駄目なら、推薦にしよう。
誰か足の速い人はいないかなぁ。」
担任は立候補を諦め推薦に切り替えるが、こちらも誰も反応を示さない。
「ちょっと、推薦もいないの‥
こうなってくると、次はくじ引きになるけど‥
本当にそれでいいの??
ねぇ、クラス対抗戦だよ。
ほら、燃えてこない??」
担任のくじ引きの言葉に生徒がざわつきだす。
「ちょっ、くじ引きは嫌だよ。
誰か、足の速い人いないっけ?」
「おい、小森出ろよ。」
「あっ、小森くんは駄目だよ。
なんか、今年から運動部はこのリレーには参加出来ないって。」
え、誰が決めたの??
それだと、帰宅部の人限定になるじゃん。
「私に文句言わないでね。
決めたのは生徒会だから。」
思わず、見知った生徒会の面々が脳裏に浮かびイラッとする。
ちなみに生徒会にこのルールを決めさせたのは実の姉だった。