拒否権
3人による説教が終わると、少し休憩する事になる。
各々が自分の飲み物を飲み終え一息ついた時、朝日奈茜が何かを語りだす。
その顔を見て親友の高橋美羽には嫌な予感しかしなかった。
「さて、そろそろ真面目な話をしましょうか。」
嫌、混乱させたのは貴女でしょ!
その言葉が脳裏に浮かんだが、辛うじて他の3人は口にするのを飲み込んだ。
「配信、とても面白かったです。
顔の見えない相手ですが、喜んでもらえるのは嬉しいですよね。
ちょっとだけ興味がわきましたよ。」
ちょっとだけ?
高橋美羽はまた言葉を飲み込んだ。
「それで‥
私たちは今、仲間を集めているのです。
その仲間に先生達にも加わって欲しいかなと思いまして‥」
「え?」
朝日奈茜の突然の発言に、高橋美羽は思わず声をあげてしまう。
「あの‥
仲間を集めて何をするのですか?」
小夜香がもっともな疑問を口にする。
「美羽、二人に説明してあげて。」
朝日奈茜が親友に無茶振りする。
「えっ、私?
まぁ、いいけど‥
あのぉ、今から口にする事は冗談ではないので真剣に聞いて下さいね。」
高橋美羽は真剣な表情になると、二人にハーレムの事を説明する。
「‥‥」
説明を聴き終えた二人は目を丸くして固まっていた。
「じ、冗談ではないですよね?」
小夜香が何とか声をしぼり出した。
朝日奈茜と高橋美羽が同時に頷く。
「あの‥
私には荷が重いというか‥
出来れば断りたいというか‥」
京香が申し訳なさそうな表情でボソボソとつぶやく。
「ふふふ
正を襲った先生達に拒否権があると思いますか?
脅すのは無粋だと思ったので、一応誘ってあげたのですよ。」
朝日奈茜は笑顔だが、目をは笑っていはかった。