見学4
「今度デビューが決まった、新人Vtuberで〜す!」
朝日奈茜は普段の凛とした声とは違う、若干バカっぽい声でぶっ込んでくる。
「「「はぁ?」」」
これには京香に小夜香、親友の美羽ですら変な声を上げてしまった。
『えっ、マジ?』
『声、可愛い!!』
『サプライズだ!!』
『ナイス!』
『スゲー』
『名前は?』
『いつ、デビュー???』
『ちょっと、顔見せて!!』
『もう少し喋って!!』
『情報はよ!!』
『何歳?』
『彼氏は?』
『雫との関係は???』
『ユニット組むとか?』
『はよ、名前教えて!!』
朝日奈茜の言葉にリスナーたちが歓喜の書き込みを始める。
京香は声を出したいのを我慢して、朝日奈茜の胸ぐらを掴む。
「ちょっと、何してくれてんだよ!!」
声には出していないが、そう言っているのが他の皆んなにはわかっていた。
それに対して茜は特に喋る事なく、終始ニコニコしていた。
「ま、まだデビュー日は決まってないけど‥
わかったら皆んなにも教えてあげるね。
二年先なのか、五年先なのかは不明だけどね‥。」
朝日奈茜がここまでハッキリと言ってしまったので、京香のフォローもここまでが限界であった。