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打算と興味
高橋美羽は迷い始めていた。
目の前のこの女の処遇を。
大切な茜の弟に媚薬を盛った女だ。
当初は突き出そうかと考える程怒っていた。
ただ話を聴いていると、情状酌量の余地はありそうだ。
さて、どうする?
茜の例の計画に使えそうな気もしてきたし‥。正直、VTuverにも少しだけ興味が湧いている。
う〜ん
私が思案していると先生は不安に思ったのか泣きそうな表情になっていた。
プッ
先生のその小動物のような顔に思わず吹き出してしまう。
よし!
腹が決まった。
「先生!
後学のために、VTuverをしているところを見せてくれませんか?」
私の言葉に先生は驚きをみせると口を開く。
「普通に嫌なんですけど‥」
この状況で断ってくる。
もちろん、そんな事は許さない。
「フフフ
よもや断れるとでも思っているのですか?
すみません、言葉を間違えてようです。
VTuverをしているを見せなさい。」
私が微笑みながら睨みつけると、先生は力なく頷くのであった。




