取調べ2
高橋さんに睨まれた私は恐怖からVTuverである事以外は洗いざらい白状したが、それを聞いていた高橋さんの表情は硬かった。
「‥‥‥
解せない。
何で生徒の人気が欲しくて正くんに手を出したの?
そこのところが理解出来ません。」
高橋さんは一発で私の嘘に辿り着いた。
「そ、それは正くんが最近モテているので‥。」
これは嘘ではない事実だ。
「そうですか?
そんなにモテているとは思いませんが‥
そもそも何で一生徒の事を詳しくしってきるのですか?
まるでいつも正くんを観察しているように思えますが‥」
高橋さんが核心をついてくる。
「はぁ?
何で私が正くん一人を観察する必要があるんですか!?
私は教師として全ての生徒を観察しています。」
ヨシ!
ちょっと逆ギレ風に応えて高橋さんを牽制する。
「‥‥‥
私、回りくどいことは嫌いです。
普通なら、先生に騙されてあげてもいいのですが‥
茜と正くんが関わるのでそうもいきません。」
高橋さんの目に殺気を感じる。
「媚薬の件、アレは犯罪ですよね?
校長‥いや、教育委員会の耳に入れば先生はどうなるでしょうね。
あっ、言い逃れは出来ませんよ。
媚薬が僅かに残った瓶は回収して、とある機関で調べてもらいましたから。」
私の冷や汗はとまらない。
動揺する私に高橋さんはとどめを刺す。
「警察に突き出されたくなかったから、ガタガタ言わずに洗いざらい吐け!!
今度嘘とわかったら本気で突き出すからな!
さぁ、さっさと話せ!!」
私は高橋さんの迫力に思わず失禁してしまう。29歳にもなって‥。
その後、VTuverであることも含めて全てを告白するのであった。