表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/152

トイレ

正くんのデート発言を受け、私自身を落ち着かせる為にトイレに来ていた。


正くんを待たせているので早く戻らないといけない。

が、落ち着けるわけがない。


もうドキドキして死にそうだ。


「あっ!」


私は胸元を引っ張って下着を確認する。


「どうしよう‥。

今日の下着、あんまり可愛くないかも。」


バーン!


トイレの個室から人が転けたような音が聞こえてくる。


「大丈夫ですか?」


声をかけるが返事はない。


「困ったなぁ。

まさかデートになるとは。

油断したぁ‥。

渚、一生の不覚!!」


私は思わず泣きそうになるが、ここである事に気がつく。


「あっ、今日はカラオケだから下着を見られる事はないかぁ‥。」


バーン!!


またトイレの個室から倒れる音が聞こえてくる。


「あの、大丈夫ですか?」


再び声をかけてみるがやはり返事はない。


あっ、そろそろ戻らないと正くんを待たせてしまう。


「今日は仕方がない、リップで我慢しよう‥。

よし!折角のチャンスだしキスぐらいはしよう!」


私は目標を決めると拳を握って気合いを入れる。


バン!


すると個室のドアが勢いよく開くと同じクラスの鉄さんが飛び出してくる。


私は急だったので驚き後退りするが、鉄さんは私に詰め寄り肉薄してくる。


「ちか!」


思わず感想を口にするが鉄さんは離れる素振りはみせなかった。


かなり近い距離たが、鉄さんは私より背が低いので下から見上げる形になっていて少し可愛く感じた。


鉄さんが私を睨みつけてくる。


私、何か怒らせるような事したかなぁ。

頑張って記憶を探るが何も思いだせないでいた。


鉄さんは私に何か言いたそうだが、口をモゴモゴするだけで何も言ってこない。


10秒ぐらいその状態が続くと鉄さんが私から離れる。


良かったぁ、これで正くんの所に迎える。


私がホッとしてトイレから出ようとすると鉄さんが口を開く。


「正のファーストキスは私のだからな!

お前には渡さない!!」


それだけを叫ぶと鉄さんはトイレから飛び出して行ってしまう。


カァァァァ


鉄さんにキスの事を聞かれてしまったので思わず顔が紅くなる。


それでも私は深呼吸をして心を落ち着かせる。


鉄さんには悪いけど、このチャンスを絶対に逃さない。


私は改めて決意をすると正くんの元に一歩踏み出すのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ