変化2
樹side
力の抜けたボクを支えてくれる正。
ん?
どこか恐る恐る触れてきたのだが、今日の正はガッツリ触ってきている。
「大丈夫か?」
正の声には何処となく力強さを感じる。
うーん‥
これはもしかしてだけど‥
ボクは正の変化の原因に心当たりがあった。でも、それを正に質問する勇気は持ち合わせていなかった。
* * * *
渚side
今日から正くんが登校すると聞いていたので、朝から気分が良かった。
いつものように正くんを待っていると、樹くんと並んで歩いていた。
「ふぅー。」
私は正くんに声をかける前に深呼吸して、気持ちを落ち着かせる。
「よし!」
自分自身に気合を入れて、正くんの元に向かう。
「正、おはよう!」
いつも声をかける時は「君」をつけないように気をつけている。
私は挨拶しながら正の胸に飛び込む。
ガシッ
正くんが私を抱き止める。
!!!!!
あれ?
いつもは腰が引けているのに、今日は力強く抱きしめられる。
クッ!
これは朝からグッとくるぞ。
「渚、大丈夫か?」
正くんが優しく声をかけてくれるのだが‥
何かいつもと違うような‥
正くんの変化に戸惑いながらも、その仕草にムラムラしてくるのであった。