夜這い3
お姉ちゃんは正くんの病室の隣の部屋に入ると、鞄からコップを二つ取り出す。
喉でも乾いたのかな?
でもそれなら普通は水筒やペットボトルを出すはずだ。
お姉ちゃんはコップの底を壁に押し当てると耳を近づける。
さらに困惑する私にコップを渡してくる。
えっ?
私にも同じことをしろと?
意味がわからないがお姉ちゃんの指示に従う事にする。
恐る恐るコップに耳を押し当てる。
すると‥
『それでは、1人ずつ話してくれる?』
正くんの部屋の喋り声が聞こえてくるのであった。
* * * *
かなり小さな音であったが、何とか隣の部屋の話を聞くことが出来た。
「「‥‥‥」」
あまりに衝撃的な内容にお姉ちゃんと私は無言になってしまった。
あのお姉ちゃんですら顔を赤くして混乱している。
こんなに取り乱すお姉ちゃんを見るの初めてだ。
それから数分、お姉ちゃんが口を開くのを待った。
お姉ちゃんは隣の話を聞いて何を思うのか‥。
私はお姉ちゃんの反応が楽しみである。
さぁ、何を口にするのお姉ちゃん!
「‥‥‥すげー!」
お姉ちゃんは目を輝かせていたのであった。