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成就

「正‥。」



 生まれたままの姿で見つめてくるお姉ちゃん。

 他のメンバーが気を利かせてくれて、病室にはお姉ちゃんと2人っきりだ。




「お姉ちゃん‥。」




 俺もお姉ちゃんと同じ姿になり、迎え入れる。




 無言で近づいてくるお姉ちゃんを抱きしめる。




 そして‥




 俺の方からお姉ちゃんにキスをする。




「38・・」




 キスの回数を口に出そうとしたお姉ちゃんの唇に指を当て呟く。




「回数を数えるのは止めよう。

 これからは毎日数えられないぐらいするからね。」




 お姉ちゃんの事は好きだが、キスの回数を数えられるのは正直嫌だった。




「わかった。」




 素直に従ってくれるお姉ちゃんが愛しく感じる。




 もう一度軽いキスをすると、お姉ちゃんをベッドに優しく押し倒す。




「あっ‥」




 突然押し倒されてお姉ちゃんが驚いた声をだす。

 いつも凛としたお姉ちゃんを見てきたので、驚く姿を見てキュンとくる。




 ベッドに横たわるお姉ちゃんにキスをする。




 前戯を‥といろいろ思ったが、2人とも準備は万端であった。




 俺はお姉ちゃんの脚をゆっくり開かせると身体を潜り込ませる。




 さぁ、後は1つになるだけだ。




 俺が動こうとするとずっと黙っていたお姉ちゃんが口を開く。




「後悔しない?」




 はぁ?

 それを今言う???





 今更、そんな事を聞かれてお姉ちゃんに腹が立つた。




「俺はしない。

 お姉ちゃんは後悔するの?」




 お姉ちゃんの不安な気持ちを察する事が出来ず、意地悪な質問を返してしまう。




 お姉ちゃんは首を何度か振って否定する。




「初めてがお姉ちゃんでいいの?」




 また質問だ。




「初めてが俺じゃ嫌?」




 お姉ちゃんは首を左右に振る。




「お姉ちゃん、さっきまで勢いはどうしたの?

 さすがにこのタイミングでそれはないよ‥。」




 不安そうなお姉ちゃんに俺も不安そうな顔を見せてしまう。




「私のせいで正が不幸になったらと思うと‥

 今ならまだ間に合うから‥」




 ここでやっとお姉ちゃんの真意に気がつく。お姉ちゃんが不安なのは俺がハッキリ気持ちを伝えていないからだ。

 クソッ!

 お姉ちゃんにこんな事を言わせてしまうとは‥。自分が情けない。




「ふぅ。」




 俺は深呼吸して、心身ともにリラックスさせる。




「初めてはお姉ちゃんがいい。

 お姉ちゃんの初めてを俺に頂戴。

 後悔なんかしないよ。

 俺がお姉ちゃん‥

 茜を幸せにするから。

 愛してるよ‥

 茜。」



 俺は茜に気持ちのこもったキスをすると身体を押し入れる。




「う゛」




 茜が声をあげる。

 

 


 その声を聞いて動きを止めると、茜が俺の腰に手を回す。




「だ、大丈夫だから‥

 お願い。」




 茜の言葉に俺が動こうとするが、茜は腕の力で俺の身体を引き寄せる。




「クッ。」




 茜が苦悶の声をあげるが、力を抜く事はなかった。





「1つになれたね‥。」





 茜が脂汗を流しながら、耳元でつぶやいてくるのであった。






*    *    *    *


15分前‥




「はい、茜。」




 美羽がある物を渡してくる。




「ありがとう。」




 私はそれを受け取ると親友にお礼を伝える。




「準備出来てる?」





 愚問だが、一応親友に確認する。





「大丈夫。

 きちんと穴を開けてるから‥。」




 親友は私の望み通りの物を用意してくれていた。




「全て計画通り‥。

 今日が丁度あの日‥。」




「頑張って!」




 親友が励ましてくれる。




「私の次は美羽が産む番だからね。」




 私の言葉に親友が顔を赤くするのであった。

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