8.女性陣は買い物がお好き
買い物が終わると預けた荷物を引き取り、秋保温泉を後にする。次の目的地は松島だ。遊覧船を11時に予約している。遅くても10時半までには到着しておきたい。この日は土曜日。渋滞も予測されるところだが、高速道路は順調に流れて10時前には松島海岸の駐車場に車を停めることが出来た。
「まだ時間があるからここ見て行く?」
そこは瑞巌寺。松島観光では必須のスポットだ。ただ、遊覧船は予約してあるのだけれど、乗船券は現地で購入しなければならない。梶浦は先に乗船券を買いに行く。その間、他のメンバーはぶらぶら先に進む。進んで間もなくだ。女性陣が土産物屋に吸い込まれた。おかげで梶浦はすぐに追いつくことが出来たのだけれど。
結局、瑞巌寺は先が広くて時間がかかりそうだったので料金所の手前で左へまわって遊覧船乗り場の方へ向かう。乗り場では既に11時の便に並び始めていたので一行も後に続く。乗船予約はしていたのだけれど、指定席ではないので、窓際のいい席は早い者勝ちだ。並び始めた直後、女性陣がそわそわし始めた。
「まだ時間あるから、さっきのお店に行ってきてもいい?」
そう告げた時には既に歩き出していた。二人が戻って来たのは4人が乗船した後だった。窓際の3人掛けの席を2列キープ出来ていたのは何よりだった。
朝の天気予報では宮城県沿岸に波浪注意報が出ていた。けれど遊覧船は無事に出港していった。けれど、外洋に出るとかなり波が高く船も大きく揺れる場面があった。ふと知床の事故が梶浦の頭をよぎった。梶浦は泳げない。そんな中、博子はうとうとと転寝をしている。せっかくの景色を見逃すなんてもったいない。
「良かったよ。気持ちよくてよく寝られた」
何はともあれ、本人が良かったというのなら、それに越したことはない。
船を降りたところでちょうど昼。ここは松島だ。昼食は海鮮だ。とは言え、観光地松島。しかも、この日は土曜日。遊覧船を降りて連中がぞろぞろうろついている。どこも混み合っているに違いない。そんな中、海鮮が食べられる店を見つけた。間髪入れずに入店。小上がりの6人席がちょうど空いていた。それはなかなかのタイミングだった。その後には順番待ちの行列が出来ていたのだから。
「やっぱり牡蠣だよね!」
「おれ、牡蠣はいいや」
「私も牡蠣はダメなんですよ」
本田と柳瀬は牡蠣を食べないというので残りの4人は一皿2個入りの焼き牡蠣を二皿頼んだ。そして、それぞれ好みの海鮮丼を注文。ところが、柳瀬はそばを注文した。まあ、誰が何を食べようが、それは本人の自由なのだけれど。
食事を終えると、すぐそばにある五大堂へ足を運ぶ。五大堂は松島のシンボルでもある。途中に笹かまの店が。言うまでもない。女性二人は当たり前のように吸い込まれていった。二人が買い物を終えて出て来るのを待って五大堂へ。赤い欄干の橋を渡って。その鮮やかな赤とは対照的に建物はその歴史を今に伝える趣があるものだ。
そして、一泊二日の仙台旅行は終わりを迎えようとしている。この後は仙台駅に向かい、そこで小野寺とはお別れだ
次は17時に投稿します。