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6.持つべきものは…

 部屋は男性4人と女性2人に分かれる。それは当然分かれる。男性陣にしてみれば6人全員同部屋でもよかったのだけれど、女性はいくつになっても女の子だ。

 部屋に入ると本田が早速、冷蔵庫からビールを取り出す。梶浦は仙台駅のホームで吸って以来、タバコを吸っていなかったからビールより先に喫煙所に駆け込む。ホンダが最初に小野寺にビールを注ぐ。

「お疲れさん」

「おお! やっと飲める~」

ここまでずっと車を運転していた小野寺も運転から解放されてようやく気を緩めた。喫煙所から戻った梶浦も合流する。冷蔵庫に入っていたビールはあっという間に3本が空になった。

「さて、そろそろ風呂に行くか」

 夕食が6時からだ。あと1時間ある。風呂でゆっくり酔い覚まししたらまた美味しい酒が飲める。


 風呂から上がって部屋に戻ると女性陣が迎えに来た。6人揃って夕食の会場になっているダイニングレストランへ。既に前菜をはじめいくつかの料理が並べられている。その中には黒毛和牛のすき焼き風鍋もある。仙台牛かとも思ったのでけれど、メニューには黒毛和牛としか書いていなかったので、おそらく仙台牛ではないのだろう。でも、牛は牛だ。

 席に着くと同時にビールを注文。当たり前だ。最初はみんなでビールで乾杯するものなのだ。

「お疲れさま!」

 料理はデザートまでで全12品。宴席が開始されると次から次に運ばれてくる。どれも美味しい料理だ。ビールの後は日本酒を飲む。次第に腹も膨らんでくる。ご飯は竹の子御飯。汁物は仙台麩とあおさ。香の物は三種盛り。デザートはジュレ桜パンナコッタ。全部平らげると腹がパンク寸前になった。

「さて、後は部屋で飲み直そうか」

 ダイニングレストランを後にすると、梶浦は一人喫煙所にこもる。ゆっくりと一服してから部屋に戻るとドアが開かない。持っていた予備の鍵で開けようとしたのだけれど鍵が入らない。

「あれっ?」

 よく見ると部屋が違った。

「ヤバッ! 開かなくてよかった~」

 気を取り直して自分たちの部屋へ。

「あら?」

 また開かない。今度こそ部屋番号は間違っていない。鍵を差し込む。開いた。しかし、中には誰も居ない。

「部屋飲みは女子部屋か?」

 女子部屋をノックしても返事がない。仕方がないので売店を見に行く。すると、小野寺・本田・柳瀬が戻って来るところだった。

「部屋に居ないからどこに行ったのかと思ったよ!」

「あー、悪いな。売店を見に行ってた」


 部屋に戻ると、先ずは本田が佐渡から持参した桐箱入りの“真野鶴”三割五分を開ける。

「これは間違いない!」

「先にこんな旨いやつ飲んじゃったら、俺が持って来たやつが飲めなくなるじゃねえかよ」

 半分ほど無くなったところで本田が真野鶴を一旦冷蔵庫にしまう。次は小野寺が秋田から持参してきた“北秋田”だ。

「あー! これもいいね」

 やっぱり日本酒は美味い。日本人に生まれてよかった。そして、持つべきは日本酒好きの友だ。ただ、柳瀬はもう、あまり飲めないようだったが…。そこへ売店で買い物をしていた博子と純子も合流してきた


次は12時に投稿します。

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