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第99話 再会しました!!



「や、やっと着いたー」


ネルトから約2時間、世界に2・3台しかない例の魔道具馬車を使ってキャメロット王国へと辿り着いた。


「すごく早かったねー!!」


これにはレイアも興奮しているようだった。



「……それにしても意外だったかも。イツキさんが乗り物苦手だったなんて」


「……まぁ、あまりいい思い出がないからかなー」



そう俺は中学生の時バスで転落事故にあって以降乗り物が苦手になっていた。

なんというか、どうしても転落とかしないかと思ってしまうのだ。



「だからまぁ……その……馬車内でのことは二人の内緒で……」


「もちろん! でもーふふ……あの時のイツキさん、ちょっと可愛かったかも……私にずっとー」


「ああああ!! 言わないでくれー!! マジで!! 本当に勘弁してくれー!」


「わかってるよ〜♪」



な、なんでそんなに嬉しそうなんだ……?

くそ、そんなに俺の情けない姿が面白かったのだろうか?

レイアのご機嫌な理由が分からないまま王城へと二人で歩いて行った。




「ここは王城か………」



俺たちの目の前には王国の城にふさわしい大きさで王国の頂上にそびえ立っていた。俺たちのもといた世界でいうモンサンミッシェルのような城だ。



「待って!!この城に何か?」



大きな扉の前にいる門番が槍を使って俺達の行方を阻んだ。

ここは通さないと言わんばかりの威圧感に二人ともおおと圧倒される。



(おお!!これよくゲームやアニメとかであるやつだ!! なぁ!? バエル!?)


(テンションめっちゃ上がってるね)



「あ、あの。私たち5大ギルド会議に出席するためにきたんですけど」


「何? わたしは長らくこの門番をしているが貴様達なぞ、一度も見たことがないぞ。」



門番は不審そうにこちらを見てくる。

うわぁ……これ絶対に疑われてるし、めちゃくちゃ警戒されてるよ。



「それにその男の姿からグランドマスターとしての威厳かこれっぽちも感じられん」


なんかそれ、エレナにも同じことを言われたような気がするんだけど。

俺ってそんなに威厳ないのかな? 仕方ない……こんな時は。



「ほら、これ見てくれよ。」


(うっわ、めっちゃドヤ顔で出すじゃん。)


「ん? こ、これは確かに王族の印がしてある手紙だ!! こ、これは大変失礼しましたっ!!」



門番が慌てながら頭を下げ、門を開けた。



「まぁ、能ある鷹は爪を隠すというからな。これからは人を見た目で判断しないように」


「は、はいっ!!精進いたします!!」



(うっざ!!言ってることは正しいけどマスターは爪のない鷹じゃん)


(…………)



バエルの言葉に僕は何も言えませんでした。


門を抜けると広く整地されている園庭が広がっていた。

様々な花々が咲き乱れておりとても綺麗な園庭だ。

あ、あそこの芝生…… あそこでエレナに花の指輪を作ってあげたっけなぁ。


そういえば手紙に作れるようになりましたとか書いてあったけど……



「うわぁーすごく素敵な園庭だね」


「そこの白い花は夜になったら光を放つんだと。とても綺麗なんだってさ」


「へー!!」


「お待ちしておりました。双葉イツキ様、お連れ様。待合室までご案内させていただきます。」



そんな話をしていたら執事のお爺さんが俺達を出迎えてくれた。

執事の爺さんについて行くと待合室に着き、来客用のソファに座る。



「「ふぅー!!」」



二人とも来客ソファーの背もたれに身を任せてぐったりする。


おお、さすが王城ふかふかソファーだ。


「ふかふかで〜気持ちいなー」


「だね〜」


長時間、椅子が高い馬車に揺られていたからだろうか? 俺とレイアは完全にリラックスモードに入っていた。

長机の上に置いてあるお菓子を食べながらレイアと駄弁っているとコンコンと扉を叩く音がした。



「双葉イツキ様……お時間になりましたのでご案内させていただきます」



ああああ……とうとう来てしまったか……行きたくねぇ!! 行きたくねぇ!!



「イツキさん! 会議頑張ってね」



ファイトーっと応援してくれるレイアにぐっと親指を立てて部屋を出た。


コツコツと音を立てながらバカデカくてバカ長い廊下を歩く。

一応執事のお爺さんが案内してくれているんだけど……歩いて5分くらい経つのにまだつかないのか?


緊張で心臓バクバクなんだけど。


みんな厳つい人なんのかな〜?

大丈夫かな? おい新入りとか言ってみんな俺のこといじめてこないかな?


キュルキュル〜とお腹が鳴った。


う、緊張でお腹が……とお腹をさすっているととうとう会議室までついてしまった。


「では私はこれにて……」


執事さんは俺に頭を下げ、姿を消した。


「ふぅーよし、よし、落ち着け……」


深呼吸をしていざ、ドアのノブに手をかけたら



「ひぃん……迷っちゃった……」



ふと女の子の声がした。


ばっと声がした方へ走り出すと目の前にはレイアが居た。

でもなんか様子が変だな……


キョロキョロと辺りを見渡し、不安げな表情をしている。それにさっきまでと来ている服が違う。


(……え? な、なんで……? ま、まさか)


(バエル?)


(……………………………)



なんだ? いきなり黙りやがったぞ

まぁいいか……それより今は目の前にレイアだ。

トイレかどこかに言って待合室に帰れなくなったのか?


「おーい」


「ひ、ひぃん!?」


声をかけると体を面白いくらい跳ね上げてビクっとした。

こちらを見る表情は怯えと困惑と動揺が混じっていた。


いや……そんな顔しなくても



「何してるんだ? こんなところで」


「へ? え? だ、だれ?」


「誰って……俺だよ俺」



「っ!? ふ、双葉……い、イツキ……くん? どうしてここに?」



まるで大切な人を思い出したかのように目を大きく見張った。

なんでフルネーム?

しかも、その声はなぜか震えていて、まるで泣きそうになるのを我慢しているかのようだった。



「お、おう……ど、どうしたんだれー」


「うっぐっ……ひっく」



レイアは身体中を震わせ、目に涙を溜めていた。



「えっ!? ど、どうした? なんかあったのか!?」


「だって……もう……会えないって思ってたから……また会えて嬉しくて」



そんな、少し別れただけなのに……大袈裟すぎないか?

最近、レイアが何考えてるのか少しわからない時がある……


「それに……イツキくん……怒ってる……よね……リ、ひっく……の……こ……うぅ……嫌いになったと思うからっ」



嗚咽で声が掠れて何を言っているのかよくわからない。

だけど彼女は俺がレイアのことをなぜか嫌いになったと思っていることだけはわかった。



「き、嫌いになんてなるはずないだろ? 大丈夫だから、絶対に嫌いになんかならないから」


「……ほんとぉ?」


「本当だよ。ほら、そこで少し落ち着こう」


レイアの手を取ってエスコートしつつ廊下の端にある長椅子に座らせ、落ち着くのを見守る。

レイアも俺の言葉を聞いて落ち着きを取り戻していった。



「……大丈夫か?」



俺の袖をぎゅっと掴んだままのレイアに聞くと彼女はコクコクと頷きながら



「うん……イツキくん。ごめんね?」


「気にするなよ……こういう時はお互いさまだろ?」


「……うん」



安心したように微笑むレイアを見てホッとする。



「ところでー」


「イツキさん!!」



レイアになぜ泣いていたのかを聞く前に聴きられた声がこちらに向かって飛んできた。

前をみるとそこには大きな扉とぷくと頬を膨らませた第一王女エレナ・フォン・キャメロットが立っていた。



「エレナ!! エレナじゃないか! どうしてここに!?」


「イツキさんが全然こないので探しに会議室を出てきたんですっ……あれ? リンカさんも一緒だったんですか?」



リンカ? 誰だそれ?

え? まさか俺の隣にいるレイアのこと言ってる?



「あ……エレナ様……お、おはようございます……」



そう言ってリンカ? ちゃんはレイアにお辞儀する。


え? 

この子レイアじゃないの?

リンカ? 

だれ? 


???



「お二人はお知り合いなんですか? なんだか、初対面しにしては距離が近いようですが?」


「……はい。その……イツキくんはリンカの親友……です」



親友!?


リンカの言葉を聞いてエレナは何か言いたげな表情をしたが、それを言葉には出さなかった。



「な、なるほど……と、とりあえずもう会議の時間なので行きましょうか」



戸惑っている俺をよそにエレナはそう言って目の前にある大きな扉を開けた。








「面白かった!」


「少し笑ってしまった」


「続きが気になる、読みたい!」


「クソニートのイツキは今後どうなるのっ……!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです!


何卒よろしくお願いいたします!



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