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第8話 変わりました!!





決闘をしてから2週間が経った。

俺が決闘で勝利してから環境というか、周りが変化した。



「ふぁ〜、ねむてー」



腹をかきながら酒場に着く。

すると



「あ、マスターおはようございます!」


「今日はどのようなクエストに? 俺もご一緒します!」


「あっ!! 抜け駆けはずりぃぞ !」


「ダメだ。マスターは俺様と一緒にクエストに行くんだからな!」


「…………」


こういう風に酒場に行くと誰が一緒にクエストに行くか俺の取り合いが発生する。


むさ苦しい男共の中で



「あ、マスター! ご一緒に一杯どうですか ?」


「マスター! よかったらメシを一緒に食べましょう !」



あとものすごく食事の誘いを受ける様になった!


むさ苦しい男達に



「マスター! 今夜、飲み会の後に夜のお店に行くんですけど一緒にどうですか ? 」



夜も誘いがくるようになった。


むさ苦しい男達に



「マスター! 明日予定はあるんですかい? 何人かで遠出して温泉に行こうと思ってるんですけど、サウナで一緒にいい汗かきませんか!?」



それだけではない! 何と休日に遊びのお誘いも次々とくるようになったのだ!


むさ苦しい男達に


この2週間むさ苦しい男達とクエストに行き夜はむさ苦しい男達と潰れるまで飲み、ベッドに倒れまた朝起きるというルーティンを繰り返していた。



「違うだろぉぉぉぉ!  そうじゃないだろぉ! ああああああああああ! なんで男しか寄ってこないんだよぉぉぉぉ!! なんで美少女からは一回も誘われないんだよぉぉぉぉ!」



朝食後、自室で枕でベッドをバンバンと叩きながら叫ぶ。


ああああ!! チンパンジーになりそう!! ウキィィィィィ!!



「マスターよかったね、モテモテじゃんこれはモテ期来たんじゃない ? このこのっ」



ベッドに寝転がってフライドポテトとジュースを飲みながらバエルが言った。

その顔は明らかに人を小馬鹿にしたようだった。



「貴様ぁ!! 煽ってるのか!!」


「そんなー煽ってないよ、からかってるんだよ」


「同じじゃねーか !」


うぎー! このロリ悪魔め! 馬鹿にしやがって! 馬鹿にしやがってっ!


俺の怒りは有頂天を越え、枕を叩く速度は加速していく。



「こんなはずじゃなかったのに!! 俺頑張ったのに!! あんな痛い思いまでして頑張ったのにぃ〜!!」



こんなのあんまりだぁ〜!!

泣きながらブンブンと枕を振り回しているとバエルがはぁとため息をついた。



「ねぇ……ずっとやってて疲れない?」


「……疲れた。」



枕を手放しぼすっとベッドに仰向けに倒れこむ。

はぁ……何やってるんだろ。



「正直ね、この決闘に勝ったら 女の子達からモテるんじゃね ? って思ってました。

でも、現実は厳しかったよ……周りには髭生やした酒飲みのおっさんやモヒカンの厳つい男達。どうしてこうなった……」



バエルに語りかけた。

何が間違えていたのだろうね……僕には分からないや。



「ほら、もしかしたら話しかけるのが恥ずかしいとかじゃないの ? きっとマスターが素敵過ぎてみんな話しかけるのに勇気がいるんだよ」



知らんけど、と呟くバエル。

おい聞こえてるぞ。



「マスターってモテたいって言ってるけどさ、好みのタイプとか居るの?」


そんなバエルの不意な質問に少し驚きながら、そうだな〜と腕を組んで考える。



「愛嬌というか、笑顔が素敵な人……かな? リリスみたいな。」


「うーん。意外とまともでつまらないね」


「しばくぞ」



寝転んだまま、バエルのお菓子を食べる。

くぅ〜フライドポテトってやっぱうめぇわ。

そしてすかさずバエルが飲んでいたジュースを一気飲みする。



「ああ〜たまんねぇ〜」


「ちょっと、私のポテトとコーラ取らないでよ」


「そんな事言うなよ〜お前のものは俺のものだろ?」


「ガキ大将みたいな事言わないでくれる?」


「ていうか、このポテトとコーラどっから持ってきたんだよ」


「え、マスターの金で買ってきた」


「おい」


こいつ、いつのまに……ていうかこの世界に適応するのクソ早いな。


「いいじゃん。クエストいっぱい行ってお金沢山あるんだし、まぁ? 基本パーティの男共に全部任せてぼーっと突っ立てただけだったけど」


「だってさーあいつら、マスターの為に活路を開くぞ !って言って次々にモンスター狩っていくんだもん」



まぁ楽できて、アイテムとかみんなくれるし、まるで姫プレイの様にいたせり尽せりだった。あれはゾクゾクもんですわ。



「それに、沢山クエスト受けて金もある程度溜まったし、皆回復アイテムとかめっちゃくれるわでしばらくは働かなくて済みそうだな」


「うわっマスターの回復アイテムの所持数99じゃん。ラストエリクサーとか絶対使う時ないでしょ」



宝の持ち腐れだねーとバエルは呆れた様子だった。



「これは確か、野郎どもと初クエストに行く時に心配したユウヤがくれたアイテムだな」



まぁ、正直俺も使う時なんかないと思うけど。

そういえば、俺が初めてクエストに行く時ものすごくユウヤに心配されたな……

回復アイテムは持ったか? とか、そんな装備で大丈夫か? とか、誰と行くんだ? とかお金はもったか? とかおかんみたいな反応をされたのを鮮明に覚えている。



「今日クエストは?」


「受けん、めんどくさい。今日は息抜きするって決めたのさ」


「毎日が息抜きじゃん」


「うるせぇ!!行くぞ!!」



バエルを体に宿し、俺は鍛冶屋でロングソードを購入した後、ネルトの近くにある草原に来た。


(なんで草原?)



体内に入ったバエルがここにきた意図を聞いてきた。

ふ、よく聞いてくれた。説明してやるか、この俺の完璧なプランを!!



(まぁ……俺ってさ。この前の決闘でラクスを一発でノックアウトさせたじゃん?)


(ああ、まぁね)


(あの時、固有スキル発動条件が満たしましたってどこからか声がしたんだよ。この条件のことをもう少し具体的に調べたいんだ)



 ギルドの野郎どもと一緒にクエストに行っていた時はあいつらが強すぎて全然ピンチにならなかったからなぁ。


(なるほど……まぁ、あの説明じゃ全然わからないもんね)



バエルが考え込みながら俺に何かを言おうとした瞬間スライムが現れた。

青いグミの様な外見をしている。


……うん、思っていた通りというか、期待通りといった感じだな。

呑気にぴょんぴょん跳ねるスライムに剣を振りかざした。


「ぬぅん!! しねぇ!」


俺の斬撃は軽々と避けられてしまった。

あ、あれ? お、おかしいな? ま、まぁ奴の攻撃を避けてカウンターを決めれば……

そう思っていた矢先、スライムは目にも止まらぬスピードで俺の腹部へと体当たりしてきた。



「へごっ!?」



とてつも無い衝撃が腹部に走る。それと同時にペキっと何かがひびが入った音がした。



(あ、これは肋が何本か逝ったね)



ああああああ!! い、いてぇ!! 超いてぇよ!! 


あまりの激痛にその場に項垂れた。


くそが! 漫画だとちっ、肋が何本か言ったかとかカッコ付けてただけで全然痛そうじゃなかったじゃん!!

こんなに痛かったなんて……

それに、スライムの攻撃が一切見えなかったんだが? 


い、いや。ある意味計画通りだ。

声はまだ聞こえないな。まだまだこんなもんじゃあピンチにはなってないか。 


スライムは分身し、絶え間なく弱った俺に向かって体当たりしてきた。


ちくしょう、こんな一方的にやられて……く、悔しい。という感情より痛さが遥かに優っていた。

ほ、本当に痛いっ。は、早く!! 本気出す! 本気出す!!


そう願いつつもスライムにボコボコにされながら心の底で終わった……と思った。


その直後、俺を攻撃したはずのスライムたちが何者かによって一気に斬り刻まれた。



「!?」



飛び散っていくスライムに呆然としながら顔を上がると



「だ、大丈夫ですか!?」



目の前には川にダイブして死にかけていたところを助けてくれた我が恩人である少女リリスが居た。








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