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第62話 勇者が救った村



城を出てすぐの広場にあるオープンカフェで呑気に昼食を食べているユウヤ、キョウヘイ、ソウスケがいた。


「あ、イツキだ。生きて帰ってきたか」

俺に気づいたソウスケがケラケラと笑いながら手を振ってくる。

少し小走りで3人の元へと向かった。

なんか、こういうの久しぶりだな。



「ん、こってり絞られてきたかい?」


キョウヘイはあいも変わららず貼り付けたような笑顔で煽ってきやがる。


「まぁまぁだよ」


と答えると


「それはよかった」


とキョウヘイは返した。



「さて、行くか」



ユウヤはそう言って立ち上がり、それを追うようにキョウヘイ、ソウスケも立ち上がった。



「これからどうしたらいいんだ?」


「ネルトに帰る。王都の出入り口付近には馬車乗り場があるからまずはそこへ向かおう」



俺の問いにキョウヘイが答えてくれた。


まぁ、これ以上ここにいてもすることないしな。さっさと帰るのがいいか。それにボードウィン王国のことも

気になるし。



しかし、馬車か〜嫌だなぁ。あんまり乗りたくないんだけど帰る方法それしかないもんなぁ。


俺のスキル帰るもちゃんと場所を調整できてないし仕方ないよな。

コクリと頷き、ユウヤとキョウヘイの後ろを着いていく形で俺とソウスケも歩き出した。



「……で、実際のところエレナ様と何してたんだよ?」



気になる様子でソウスケが背後から聞いてきた。



「あ、ソウスケ君それ聞いちゃう? そうだなぁ……俺が言えることはエレナ様は鞭と蝋燭使いの達人だということだ」


「ま、マジかよ……イツキお前、それって……SMプレイじゃん!!」


「あっちゃー察してしまったかー三角木馬、亀甲縛り……」


「え!? まじで!? ガチの奴じゃん!!」


「それに私のモノだっていう証ですとか言って首筋を噛まれてしまってな……後がついちまった」


「エレナ様って結構独占欲があるんだな……」



ソウスケはこういう嘘だと分かるバカ話でも全力で乗ってくれるから嬉しい。

こういった面でも俺にとって大事な悪友なんだよなぁ。



「ソウスケ、嘘に決まってるだろ? 信じちゃダメだよ」


 キョウヘイが突っ込むように言う。



「は!? なんだよ!? 嘘かよ!! 騙しやがって! びっくりして損したわ!」


いや、信じてたんかい。前言撤回、こいつはただのバカだったよ……


「逆になんで信じたんだよ……」


ため息をつきながら聞いてみると



「いや、だってさ、エレナ様って独占欲強そうじゃん?」



と意外な答えが帰ってきた。


少なくとも俺はそうは見えないんだけどなぁ〜俺に対して妙に生意気なところがあるし。

構ってちゃんみたいなところは少しあるかもしれないが独占欲が強いとはならないかな?


「そうか?」


「多分、好きな人にはめちゃくちゃ甘えてくるタイプだと思うぞ。寝る時とか一緒のベットでくっついてきたり、あと相手に対してもめちゃくちゃ甘やかしてくれる。奉仕系っていうのかな? 多分そんな感じじゃないかな〜」 



普段女のケツばっか追っているせいか、こう言うのには結構詳しい奴なのだ。

そして割と的中率が高いのでソウスケ先生の女性に対する話は信じている。


「ふーん。ちなみに一緒に寝るのに同意したらどうなるんだよ?」


「あ、それはもう沼にハマるね。どんどん要求がエスカレートするやつだよ」


「ま、マジかよ……」


ま、正直ないかもしれないけどソウスケ先生の助言? は覚えておこう。



「そう考えたらお前さ……」



ソウスケは珍しく、本当に珍しいく真剣は眼差しで俺の顔を見て何やら考え込んだ。

ブツブツと何やらつぶやいている。その中レイアとリーシャの名前が聞こえたような気がするが気のせいだろうか?

奴が何を考えているかは変わらないが、大抵はしょうもないことなのであえて突っ込まないでおく。



「お前、独占欲強い女の子に懐かれるよな」


「……はい?」


やはりしょうもないことだった。すまん、女の子に懐かれている記憶とか一切ないんだが?

そうこうしているうちに馬車乗り場へと到着した。


馬車乗り場だけあって様々な馬車がある。

普通の馬車、貴族が使ってそうな高級感のある馬車に……



「え!? 何あれ!? なんかロボットみたいな馬の馬車があるんですけど!?」



まるでロボットアニメで出てきそうな機械的な馬の馬車があった。

数ある馬車の中で圧倒的存在感を放っている。



「あれは世界に2・3体しかいない貴重な魔道具だよ。魔力を動力源にしていてジェット噴射で走行するんだ。ちなみにネルトからここまではあれできたよ」


キョウヘイの説明にただ唖然とする。

さらにとキョウヘイは説明を続ける。



「普通の馬車ならネルトまで半日ほどかかるけど、あの馬車なら2時間ほどでここまで来れる」


す、すげぇ!! 段違いじゃねぇか!! 


「え、待って!! 俺あれに乗りたいんだけど!?」



どうせ同じ馬車に乗るのならあれがいい!!



「あーそれは無理無理。だってあれ予約制だもん。行きは国王様が手配してくれたから乗れたんだよ」


なんだと……?

ソウスケの言葉に絶望する。



「えー!! いやだい!! いやだい!! おいらはあの馬車がいいんだーい!!」 


「子供か!! お前は!! ほら!! さっさといくぞ」



ソウスケにズルズルと引きずられながら普通の馬車へと向かった。



「3人で行き先はネルトで」


「はいよ 一人5千ギルね」



ユウヤと馬車のおじさんが話しているのを見てあることを思い付く。


そうだどうせ乗るなら


「あ、すいません。運転席の隣って座れますか?」

馬車のおじさんにおずおずと聞いてみる。

みると隣を座るのに十分なスペースがあるので問題はないと思う。



「そりゃ構いませんが、座り心地は車の中の方がいいですぜ?」


驚いた様子でおじさんは言った。

そうですよねー普通はないですよね。



「あ、大丈夫です。車の中はちょっと怖くって……」


まぁ、馬車だけではなく乗り物全部が苦手というか怖い……

中学生の頃にちょっとあってそれ以降乗り物に乗るのが怖くなってしまったのだ。



「…………」



ユウヤ達は何かを察したのか俺の発言については何も言及せず馬車の中に入っていった。


運転席の隣に座り、馬車は走り出した。

椅子は硬いし、衝撃はもろに食らうし乗り心地は良くなかったが、開放感があり、景色が見れるおかげか恐怖感は少なめだった。

もし、事故って馬車が横転してしまっても飛びださせばいいしな。


風を感じながらぼーと移りゆく景色を見ていた。

小休憩を挟みがら、馬車にのること数時間が経った。

青色だった空は夕焼け色になっている

少し離れた所に街 小さな村がみえた。



「夜に走るのはあまりよくありません。今日はあそこで休みましょう」



馬車のおじさんの言葉にうなづく。

距離的には6割といったところらしい。順調にいけば明日の昼前にはつけるそうだ。

街について運転から降りる。

休憩はあったが、長い間硬い椅子に座っていたせいか、尻がめっちゃ痛い。



「おお、ヨームゲンに着いたかー」


ソウスケ達も馬車の中から出てきた。眠っていたのか3人とも欠伸をしていた。

おお、完全に寝起きって感じだな。

あれ? 馬車がもう一台ある。俺たちの他にも旅人がいるのだろうか?



「おやおや、レギス・チェラムの皆様。お疲れ様です」


「村長さんお久しぶりです。すいません。今日もお世話になります」


キョウヘイと村長のじいさんが挨拶をし合っている。


なんか、仲が良さそうだな。



「ここは以前魔物の大群に襲われたことがあってさ、それを僕達と勇者パーティーで一掃したんだ。それ以降はこうして王都からの帰りの泊所としてお世話になってる」



疑問に思っているとソウスケが教えてくれた。


村長のご好意で村にある宿屋は無料で使わせてもらっているらしい。ただ、何もしないのは気が引けるので畑の整備や薪割りなどお手伝いをしているとのことだ。



「いつも申し訳ありませんね。あなた方は命の恩人ですのに……」


「いえ、いつもお世話になっているのは俺達の方ですので、毎回村を総出で歓迎して下さいますし。俺達に出

来る事があればなんでも」



ユウヤと村長が話している



「イツキ、すまないが、子供の洗濯を手伝ってくれないか? 俺達は他の手伝いをする事になった」



話し合いが終わり、どうやら役割が決まったようでユウヤは俺に申し訳なさそうに言ってきた。



「おう。ユウヤも頑張ってこいよ。」


(流石ロリコン、文句ひとつ言わないね)


(薪割りとかに比べれば楽だと思ったからです! あとおれはロリコンじゃありません)


こちらですと村長に案内される。


雰囲気はリリスが住んでいる村に似てるな。村とはいえ、結構広いぞ。


「じつは、すでに他の方が手伝って下さっているのでその方と協力してお願いします」


げ、マジかよ。知らない人とかマジ勘弁なんだけど。

洗濯場についたら子供達の楽しそうな声が聞こえた。


なんだなんだと見てみると



「ッツ!?」


衝撃な光景が広がっていた!!



「ちゃっぷ、ちゃっぷ、ちゃっぷ、ちゃっぷ♪」



目の前で6人ほどいる子供達と一緒にスカートをたくしあげながら楽しそうに銀の大きなたらいで踏み洗いをするリリスがいた。







「面白かった!」


「少し笑ってしまった」


「続きが気になる、読みたい!」


「クソニートのイツキは今後どうなるのっ……!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです!


何卒よろしくお願いいたします!

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