表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/176

第51話 リベンジの時が来ました。





エレナの登録及び準備を終えて森についた俺達はヒロムを攻撃の要にしてオーク達を倒していた。

ヒロムが最前線でオークの群れに飛び込み、リーシャとエレナがカバーする。


ヒロムの動きは初めての戦闘にしてはよく動けていると思う。……少なくともスライムと戦っていた俺よりは。



「ふぅーこれでひと段落つきましたね」



数十体いたオークを一掃し終え、安心した様子でヒロムは言った。



「うんうん。いー感じじゃん?」



 ぽんぽんとヒロムの肩を叩き、労う。

 うん? スライムのボコボコにされたくせに偉そうだって?


 うるさい黙れ。


「そ、そうでしょうか?」



嬉しそうにそれでいて照くさそうにヒロムは頬をかく。


「あの……」


「なんだよエレナ。ははん〜さてはお前の褒めて欲しいんだな〜?よしよしよくできまちたね〜」



何か言いたそうな顔をしているエレナの頭をぐしぐしと撫でてあげた。

実際、エレナの動きは並の冒険者とは比べものと言えないくらい見事だった。隙のない可憐な剣捌きは思わず見惚れてしまうほどだった。



「ち、違いますっ。や、やめてくださいっ」



言葉では嫌がっているが、顔は満更でなさそうなエレナに手を払われてしまった。



「私が言いたいのはなんでマスターである貴方は何もせずただ立っていただけなのかってことです!」


な、なんて痛いところを突いてくるんだ……



(そんなのオークにボコボコにされるからに決まってるのにね)


(おい、言葉は刃物だ。自重してくれ?)


「それはあれだよ……えー俺はその……ギルドマスターとして全体の指示をですね……」



ジトーと見つめるエレナの瞳に思わず逸らし、吃ってしまう。



「あ、あれは!! スライムだぁ!」



いいタイミングでスライムが現れてくれた!!

呑気にぴょんぴょん跳ねるスライムが救世主に見える。



(あ、あれは!! 以前マスターがラクスに勝った後、お調子に乗って狩ろうとしたげど逆にボコボコにされたスライムだぁ!!)


(お前それはもう振り返さないって約束しただろう!!!)


「な、何だか可愛らしいモンスターですね?」



スライムのそ外見と行動に気を緩めたヒロムに



「油断するな!!」



俺が一喝を入れる。



「奴は外見こそ可愛らしいモンスターだが、繁殖時期になると体力をつけるために近くの村の牛や豚達を丸呑みする様な奴らだ。油断してると………死ぬぜ?」


(流石、スライムにボコボコにされた男、言葉に重みがあるね)


「はい!!」



ヒロムの顔が一気に引き締まる。


ふ、それでいい。冒険とは一瞬の気の緩みが命取りになっちまうからな。


ドワーフのおじいちゃんからもらった剣を構え、ゆっくりとスライムに近づいて行く。



「下がっていろ。そして目に焼き付けろ! これが……俺の戦い方だぁぁぁぁ!!」


「ま、マスター!!」


「いや、そんな張り切らなくても……」


熱く、吠えるヒロムとは対照的にエレナは困惑気味に言葉を漏らした。



「うおおおおおおおおおおおおおお!!」



俺は叫びと共に恐怖を振り払い、スライムに向かって斬りかかった。

すると奴は俺の攻撃を後ろにステップして躱し、体を凝縮させる。


きた! このモンスターは高確率で攻撃をバックステップで避けてカウンターを放つんだ。



「わかってんだよ!! 全部!!」



以前と同じミスはしない、俺はスライムの体当たりを横にスライド移動して躱す。


–今度はこっちの番だ!!


「はぁぁぁぁぁぁ!!」



スライムの体当たりに合わせて剣を振りかざし、奴を真っ二つに切り裂いた。



「……俺に隙はない。」



見事きまった逆カウンターを成功させ、剣を振り払う。



(普通はかっこいいシーンなはずなのに相手がスライムのせいで雑魚相手にイキリ倒しているようにしか見えないんだよなぁ)


(うるさいですね……)


「さ、さすがマスターです!!」


「おー」



ヒロムは目を輝かせ、リーシャはパチパチと手を叩いてくれる。



(雑魚倒しただけなのにこの反応……レギス・チェラムはあったかいねぇ〜)


(ふ、なんたってこの俺がマスターだからな)


(超ウケる)


(なんだぁ? テメェ?)



しばらく森の中でモンスターを狩っていたが一向にトロールが現れる気配がなかったので俺たちは森の最奥にある遺跡に向かうことにした。



「……あ」



歩いているとリーシャが空を見ていきなり立ち止まった。



「ん? どうした?」



何かあったのだろうかと振り返り、リーシャに声をかける。



「あれ」



空を指すリーシャにつられるように自分も空を見上げた。



「……何もないじゃん」


「あー一瞬だったから、なんか飛んでた。蒼いのが」


「蒼の? なんじゃそりゃ? 早くいかないと置いていかれるぞ。俺たち教育係なんだろ?」


「ふふ、うん。そだね」



そんな会話をはさみつつ森を抜け、遺跡のような建物が沢山ある場所に着いた。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ