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第5話 遊び人でした!




ギルドに入りソウスケが受付を指差して説明してくれる。



「あそこに受付があるだろ? ギルドカードを作成して貰うんだ。ギルドカードを作ると同時に自分にあったクラス……いわゆる職業が与えられる」


おお、本当にゲームの世界みたいだなぁ。なんだかテンションが上がってきた!!

自分はどんな職業につくのだろう、やっぱり剣士がいいかなぁ。いや、魔法も使ってみたいし、アーチャもありかもしれない。


あ、でもでも格闘士になってトリッキーな動きで敵を翻弄したり、盗賊でサーチとか相手のアイテムをスティールしてたいんだよなぁ。

やべえよ。ワクワクが止まらねぇよ。


 こんな感じで、色々妄想してる時が一番楽しいんだよなぁ。



「イツキがどんな職業になるか楽しみだね。」



「ま? 俺くらいなるとレアな職業とか、魔法剣士とか竜騎士とかそう言う特別な職業になるんすわぁ」



受付は3人おり一人がムキムキマッチョの黒光りしたお兄さん。一人がおばあちゃん。

一人が天真爛漫そうな雰囲気を醸し出している茶色の長髪の美少女がいた。



(ねぇ、マスター、なんでわざわざ行列が長い受付の列に並ぶの? 受付の子が可愛いから?)


(ふぁ!? そ、そそそんな事ねぇし!?)


(溢れ出るこの童貞臭……)



受付の子の服は肩を出して胸元が見えてしまうえっちな服装だった。

全く、なんてデザインなんだ。デザイナーにノーベル賞を送りたい。


胸元をじっと見ていると名札に目がいった。

名札にはレイアと書かれていた。


「あ、あ、あ、え、えっと、ギルドカードを作りたいんですけど……」


(キョドリ過ぎきめぇ)


(辛くなるからやめて……)


「はい、ギルドカードの作成ですね。少し持って下さい」



受付嬢のレイアがカードを渡してきた。  

なんだ? このカード。


「このカードを持ってインストールと唱えて下さい。」


「インストール」


レイアの説明通りに唱えた瞬間、カードが黄金に光り出し宙に浮き回転し始めた。


「この反応は!? すごい! レアクラスですよ!」


レイアの反応にギルド内がざわめく。 


やれやれ、これが選ばれしものの性ってやつか……ま、これくらいのこと、朝飯前だがな。

回転が止まり、カードを取ると受付嬢に渡した。



「登録、よろしく頼む、そうだ、ついでにクラスも教えてくれないか?」

「え、は、はいっ 」



せせっと登録し終えたレイアは俺の黄金色のカードを見て驚いた顔をする。

まぁ、その反応も仕方ないか……なんたってレア! クラスですから。



「あ、えっと、じゃあその、い、言いますね。」



先程まで騒いでいたギルド内が息を呑むようにシーンと静まり返る。


心なしか俺の鼓動も速くなる。



「あなたのクラスは 遊び人です。」



……え?



「あ、遊び人ってあの遊び人 ?」


「お、恐らく、すいません、私も見るのは初めてで……」


「ぷっ、あはははは!!」


ギルド内は笑いの渦に飲まれた。


「ただの無職じゃねぇか !」


「遊び人って職業だったんだなっ !」


など俺を馬鹿にする声が沢山聞こえてきた。



(だっはっはっはっは!! あんなにイキり倒してたのに!! お腹がっ! 痛い!)



唯一無二の相棒であるバエルにも馬鹿にされながら笑われる始末だ。


「うわぁぁぁぁん !」



俺はガキのみたいに鼻水を垂れ流しながら大声で泣き叫び、自室へと逃げるかの様に走った。


ちくじょー!!

やっぱりこの世は糞だ! 何が異世界だ!ぶっ殺すぞ!

せっかく人がやる気になりかけてたのよぉ! やる気だだ下がりじゃボケが!! 

もう知らん! バカーバカー!


自室に着いたおれはベッドにダイブし、そのまま布団に包まった。


うぅ、おふとぉん君はいつも僕の事を暖かく包み込んでくれるね。

俺の味方は君だけだよぉ。


このまま眠りについてしまおう。そうしたら嫌なことは忘れるさ。


トントンとドアの叩く音がする。


なんだよ、人が折角寝ようとしていたのに、邪魔するな。

無視。



「イツキー入るぞー」


ソウスケが扉を開けて入って来た。

あ、鍵かけるの忘れてた……



「やるじゃん、レアクラスなんて。そうそうお目にかかれないよ?」


へらへらした様子で話しかけてくる。


「バカにしやがってぇ……」


「バカにはしてないさ、本当は実力があるのに、愚者を演じ怠けようとする。お前にぴったりな職業だと思ってるけど?」


「………」


「そう睨むなよ。あと、今日は夜に集会があるからちゃんと酒場に降りてくるんだぞー」



そう言いい残して立ち去った。


(集会か……サボろ)


(行った方が良くない?)


バエルが俺をたらしめるように言った。

まぁ、バエルの言う通り確かに行った方がいいのだろう。

けれども



(集会とか面倒くさい、なんでいちいち皆で集まらなきゃならんのだ。俺は人混みが苦手なんだよ。)


(協調性ないなぁ〜そんなんじゃ駄目だよ?)


(ならさ、バエルは悪魔の中で集まりがあったら行くのかよ?)


(行く訳ないじゃん、面倒くさい )


(おい)



即答かよ。

もういいや、昼寝しよ。俺は目を閉ざして今度こそ眠りについた。


コンコン


ドアを叩く音で目が覚めた。



「イツキ、入るぞ」



声の主は扉を開け、中に入ってきた。


扉のほうを向くとそこには黒髪に鋭い目つき、幽鬼のような白い肌、軍服のような黒のコートをきた男が立っていた。


北条ユウヤ。それがこの男の名前だ。


俺が転生を巻き込んだ最後の一人であり、そして俺がもっとも信頼している相棒のような存在。

ソウスケの奴……俺がサボるのを想定してたな。



「久しぶりだな」



久しぶりと思わせないような親しみが含まれたそんな温かい声。


「……おう」


「ふ、相変わらずで何よりだ」


「なんだよそれ」



あまりの予想外の言葉についつい笑みが溢れた。

こいつは少しずれているところがある。

まぁ、そんなところもこいつ愛嬌というものか。



「ソウスケから夜に集会があるとは聞いているな?」


「あーー、すまん、この星の重力重すぎて動けんのだよ。」



本当は行きたいんだけどなぁ〜? と言いながらお布団にくるまって寝転びチラチラとユウヤを見る。



「そうか、まだこの世界に身体が馴染んでいないようだな。わかった、俺がお米様だっこを……」


「ああもう!! わかったよチクショウ!!」



駄目だ。ただをこねても真面目に受け取って返してくる……

こいつはこういう奴なんだ。はぁ、ごねると逆にめんどくさくなるやつだな、さっさっと行って終わらせるか。


「何、遠慮するなこれでも筋力には自信がある。」


「は? ちょっ!! まじでやる気か!? わ!? バカやめろ!!そこ尻なんですけど!? ズボンがずれてパンツが!! あああああああ!!」



ユウヤにお米様抱っこされて強制的に集会に連行された。






 




「面白かった!」


「少し笑ってしまった」


「続きが気になる、読みたい!」


「クソニートのイツキは今後どうなるのっ……!」


と思ったら


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面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです!


何卒よろしくお願いいたします!

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