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第36話 証




血が止まらない、止まらない、口からも胸からも、体中から血がたくさん出ている。体の左半分がなくなっており、左目も恐らく潰れている。



痛みはない。ただ、寒い、体が言うことを聞かない。体が死ぬ準備を始めている。死に向かっていくのを感じる。


だけど、絶対に行かせない。


ソロモンの指輪を取り出す。


これを使うことは全知全能になるということ。そして、全悪魔の力を得る代わりに対価を支払わなければならないということ。


それは五体かもしれないし、五感かもしれない、もしかしたら命かもしれない。バエルが言っていた通り、双葉イツキという存在そのものかもしれない。


それでもいい。


俺の全部、持っていかれてもいい、だから、使うよ。



「本当にいいの?」



全てが静止した世界でバエルは目の前に手を後ろに組みながら現れ、俺の顔を見上げている。



「ああ、あそこは……もう、俺の居場所になってしまったから」



バエルの目は大きく見開くその瞳はひどく揺らいでいた。



「そうだけどさぁ。誰の記憶にも残らず、誰一人マスターのことなんて覚えてないんだよ? みんなの中から消えてしまうのになんでマスターはみんなのために戦うの?」


バエルの言う通りだ。

たとえ、俺が全てをかけて戦っても、もしかしたら記録にも残らないし、記憶にも残らない。


ラクスにもレイアにも、爺ちゃんやズングリット、白鬼などドワーフと鬼神族の皆、一緒に転生したユウヤ、ソウスケ、キョウヘイ。


……そしてリリスにも。


だけれど



「たとえ、みんなの中から俺という存在が消えてしまっても、俺が存在を賭けて守ったみんながいればいい。記憶から消えてしまっても俺が生きた証は残る。それでいいかなって」



リリスの笑顔を、リリスの世界を、そして何より俺の世界を守りたい。

その為に、俺は戦う。



「……そっか、まぁ、それがイツキだもんね。しょうがないから私がずっと傍で付き合ってあげるよ」



バエルは俺に手を差し伸べた。



「ああ、頼むぜ。相棒」



俺はバエルの手を取った。

アガレス、あの時の質問の答えを言うよ。



黒く塗り潰された未来だろうが、決められた運命だろうが関係ない。俺なら黒を白に変えられる。


そして、世界は再び動き出した。





「面白かった!」


「少し笑ってしまった」


「続きが気になる、読みたい!」


「クソニートのイツキは今後どうなるのっ……!」


と思ったら


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