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第34話 賢王




「ゴッドブレス」



この世界の魔法というのは初級・中級・上級・天級・界級・神級の6つの段階に分かれている。階級が上がるほど、威力が高く、規模が大きい。


ゴッドブレスは風の天級魔法であり、天級の天とは天災の意味を含む。

曇っていた空がさらに濃くなっていき、凄まじい暴風が吹き荒れ、叩きつけるように雨が落ちる。


天を貫く大樹のようなドス黒い積乱雲から吹き下される破壊的な気流であるダウンバーストが発生し、風圧でイツキ達を押し潰そうとしていた。それはまさに天災と言っても過言ではない。


しかし、賢王にとってはこれは必殺でもなく、ただの牽制だった。

勇者の村を含むネルト周辺を巻き込んだゴッドブレスはネルトの結界を被り、勇者の村を崩壊させた。

ゴッドブレスが終わっても鳴り止まない豪雨のなかイツキ達は球体の結界に守られいる。


ソウスケが発動させた防御魔法エクシードによってなんとか即死は免れた。しかし、結界はガラスが割れたような音を放ち、割れて崩れて言った。



「ごめん、これ以上はこの強度の結界を張れそうにない」



息を切らすながら苦しそうな顔をしてソウスケは言った。



「いや、十分だよ。ありがとう。キョウヘイ、ユウヤ!」


「「ああ!!」」



イツキの一言でユウヤは大剣を両手で強く握りしめ、刀身に炎を纏わせて地面に叩きつけた。地が裂けるような地響きと主にに業火による衝撃波が生まれる。


大津波ような炎波に揉み込まれた賢王は結界を作り出し身を守っていた。



(ほう。この力……神器によるものか。生身で受けていたら少々不味かったかな)



ユウヤが生み出した炎波が消えたと同時に賢王も自身を守っていた結界を解除した。

そしてその瞬間を双葉イツキと一ノ瀬キョウヘイが見逃さなかった。


二人は、結界が解除される瞬間に一撃を決めるためユウヤの炎波と共に賢王へ駆けていたのだ。イツキの剣とキョウヘイの拳が賢王の目と鼻の先まで迫った。


賢王はイツキの剣を寸前で避けたが、その避けた先を先読みしたキョウヘイが賢王に近づきながら威力を極限まで高めるために体をうねり、魔力を込めた拳が旋風巻き起こしながら放たれようとしていた。



「読んでいるぞ」



賢王はイツキの剣を避けながらキョウヘイの方向を向いた。右手には炎々と燃え盛る黒く輝かない禍々しいの炎を宿していた。キョウヘイの拳よりも先に賢王の黒炎がキョウヘイに届くだろう。


しかし



パンとキョウヘイは賢王の右手を払った。


「!?」


キョウヘイの拳は初めから賢王の右手を狙っていたのだ。



(……なぜ? 此奴、わしの動きを先読みしている?」



その隙を双葉イツキが突くように追加の斬撃を振るった。

そしてキョウヘイも右脚で蹴りを放つ。




「っ!! 天道!」



賢王は二人の攻撃が届く前に跳ね返そうとする力である斥力を操り、イツキとキョウヘイを弾き飛ばした。



「「!?」」



二人は驚愕した表情をしてなす術のないまま吹き飛ばされる。その威力はネルトの城壁を最も容易く崩壊させた。


賢王は自身に流れる血を見た。


賢王の魔法より双葉イツキの斬撃の方が早かったのだ。



(血か……ふ、自身の血を見るのはいつぶりだ?)



賢王はすぐさま自身の体の状態を確認する。



(少し切れただけか……手の痛みは……思ったよりはないな。魔力を込めていた割にダメージが浅い)



体の無事を確認し、それと同時に4人に対する認識を改めた。



「認めよう……お前達は強い。ノーリスクで勝てない相手だ。だが、もう終わらせよう」


「クロノス」


「っ!」



ソウスケは何かを察知し、魔法を放とうとしたが、それより先に賢王は地方一帯を自身の領域とし、その中の時間流を操った。それにより、自分以外の時間がほぼ止まっているに等しくなった。


決して時が止まっているわけではなく、ほとんど静止状態なだけで僅かながらユウヤたちは動いている。雨粒も賢王からすればほぼ止まっているように見える。



この魔法は世界の法則を変える界級魔法であり、この魔法を使えるのは現時点では賢王のみである。



「さて、これで決めるか。ブリュナーク」



賢王は先が8つに別れた光の槍を作り出し、4人に目掛けて心臓と体の一部に向け槍先を伸ばした。そしてダメ押しとして斥力を操り全方向を吹き飛ばす衝撃波を生み出し時間の流れを元に戻した。



「「「!?」」」



一瞬で4人は戦闘不能に陥り、衝撃波によって飛ばされた。



「ほら、終わった。」



賢王の目元にはピシッとヒビが入っている。



「ふむ、思っていたより身体の負担が大きいな。ここは急ぐとしよう」



ネルトに向かって歩を進めた瞬間、天から裁きのように巨大な雷柱が賢王に降り注いだ。


「っ!? これはっ!?」



レギス・チェラムと賢王の戦いはまだ終わっていなかった。




「面白かった!」


「少し笑ってしまった」


「続きが気になる、読みたい!」


「クソニートのイツキは今後どうなるのっ……!」


と思ったら


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