第27話 準備を始めました!
「……ふぅ。戻って来たか」
目が覚め、時計を見ると朝の7時になった。アガレスが見せたあの夢がふと頭をよぎる。
妙に目が覚めてしまい、二度寝する気分にならない。普段なら絶対に起き上がることはないが俺が部屋から出てギルドの酒場に向かった。
「えぇ!? ま、マスター!? どうなされたんですか!?」
「マ、マスターが、この時間から酒場に!? な、何かの前触れか!?」
「ひぇぇぇぇぇぇ!! 終わりじゃ!世界の終わりじゃ!!」
ギルドのみんなが一同に驚いていた。
「こ、こいつらっ」
実際にこんな時間に降りてくるなんてことはあまりない為に何も言い返せない。
「あれ? イツキさん。今日は早いんだね」
「ああ、ちょっと寝付けなくてさ。」
「大丈夫? 具合が悪いの?」
レイアが心配そうに眉間に皺をよせる。
君だけだよ。そういう風に心配してくれるのは……
「いや、大丈夫。とりあえず、朝食でも食べるわ」
「あ、私も今から朝ごはんなんだ。良かったら一緒に食べよっ」
(ふぁ!? ま、ままままマジかよ。バ、バエル!どうしよう?)
(何きょどってるの?一緒に食べればいいじゃん)
(朝ごはんのお誘い………まさか、レイアって俺の事が好きなのでは?)
(今度マスターに優しさと好意の違いを教えてあげるよ)
「なら、いつもお世話になっているお礼に今回は俺が持つよ。どれがいい?」
「えっ、そんな悪いよっ」
遠慮してしまおうレイアだが、こういう時くらいわな。ここは挫けず、もう少し押してみるか。
「ここは、俺を立てると思ってさ。気持ちよく奢られてくれ」
レイアはその言葉にうーんと考え込み少し申し訳なさそうに言った。
「んーそこまで言うのならじゃあ、お願いするね。照り焼きサンドとアイスティーで」
「おう。先に席取っておいてくれ」
俺の分のミックスサンドとオレンジジュースとレイアの照り焼きサンドとアイスティーをトレーに乗せてレイアの居る席に座る。
「「いただきます。」」
2人同時に手を合わせ、サンドイッチを食べる。
朝食のミックスサンドを頬張りながらどうすればいいのか考える。
ユウヤ達はすでに王都に到着しているからな。
うーんあいつら達がいれば問題解決なんだけど。
いっそありなまま全てを村の人たちに話してみるか?
いや、俺なんかが話してもなんだこいつ? と思われて聞き流されるだけだ。
なら、リリスに話して見てはどうだろうか?
話自体はまだまともに聞いてくれるかもしれない。考え込んで何もしないよりはまずは行動しなくちゃな。
「じー」
ふと考えているとレイアがこちらの顔を見つめていた。
「……何か?」
「なんか考え込んでるなーと思って」
「ん、ちょっとな。やらなきゃいけないことが出来ちまってさ。悪いけど、俺、行くわ」
ミックスサンドを食べ終えて立ち上がって勇者の村に向かうべく歩み始めた。
「イツキさん? どこ行くの? 今日中にやらなきゃいけない溜まってるお仕事がいっぱいあるんだけど?」
ギルドを出ようとする俺の手をガシッと笑顔のレイアが掴んだ。
やばい、笑顔だけど笑ってない。あ、ちょっと手を握る力が強いっ! ちょっと痛いんですけど。
だけどここは引くわけにはいかない。
俺だって……やるときはやるっちゃ!!
「すまないな、俺には成さなきゃいけないことがあるんだ。ここは黙って行かせてくれ。」
「うん。その成さなきゃいけないことをする前に仕事してね☆」
「……はい。」
圧倒的な圧を放つレイアの言葉に僕はそう言うしかなかった。
「面白かった!」
「少し笑ってしまった」
「続きが気になる、読みたい!」
「クソニートのイツキは今後どうなるのっ……!」
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