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第20話 協定を結ぶことになりました!



「さて、じいちゃん。用事は済んだか? 村に戻ろうぜ」


復旧の手伝いもしなくちゃだしと世界樹を見上げるおじいちゃんに話かける。



「……小僧。その剣はお主に預ける」



先ほどまでの陽気な声とは一変し重々しく圧がこもった声で言った。 

気のせいか、纏っている空気すら変わった気がする。

なんというか、覇気というのだろうか? 思わず圧倒されてしまった。



「……えと? その、いいのかよ。俺なんかが貰っちゃて」


ズングリットがボロボロになっても手放さなかったり、黒鬼もこの剣について何か言ってなかったけ?

それほどの剣を貰ってしまってもいいのだろうか?



「かまわんさ。そいつもそれを望んでいる。それに銀色の剣身に見えて本当は違うんじゃよ。真の剣身は誰も見たことがない。拘束によって力を封印されているんじゃ」


簡単にいうと刃を持った鞘がつけられているようなものじゃな。とおじいちゃんが言った。

まじかよ。豪華な装飾がついている銀の剣にしか見えないんだけど。



「え? じゃこの拘束解いてくれよ。力を解放した状態で使うからさ」


「それは無理じゃ」


「……へ?」


「その鞘は異常な硬さと剣そのものに対する魔法や能力などさまざまな力による干渉を受け付けないんじゃ」


「え?干渉しないって、なんでも無力化ってこと?」


「そういうことじゃ。じゃからどんな方法を使っても解けないし、壊すとこもできん」


 条件を満たして解除するしかないのーと呑気に言っている。


「じゃあこれは最高に頑丈で絶対に壊れないというだけの剣って事?」


「そういうことじゃ」


「ち、ちなみに解除条件とは?」


そ、そうだ。条件さえ揃えばこの剣は力を発揮するんだ。

こういう封印され剣系は解放すればめっちゃくちゃ強いんだよ。

そうと思わないければやってられない!



「……すまん、解除条件はわしらでも分からんのじゃ」


まじかよ……そんな剣を貰っても全然嬉しくないんですけど。ぶっちゃけいらねー

それなら天命の指輪の方が欲しいわ。それか俺専用の神器くれ。


「じっちゃん、俺はこんなものより……」


「お主のその類まれたる剣技なら必ず使いこなせるじゃろう。こじょーはその見込みがある。最強の剣士である剣聖すらも超える才をお主から感じ取れるのじゃ」


「仕方ねぇーな。爺さん、この剣の力俺が100パーセント引き出してやるよ」


(ちょろ過ぎワロタ)


なんだよ。じいちゃん見る目あるじゃねぇか……しょうがねぇな、こいつはありがたく貰っていくか。

よく見るとかっこいい剣だし、力を封印しているっていう点がロマンがあっていい……決めたよ。俺の相棒はこいつだ。

後で名前をつけよう!



「ぬぅん」


テンションが上がりまくり意味もなく素振りをする。

あっ……意外に重たい。



「族長、ここにいたのか」

知らない声が聞こえたので振り返ると白の羽織と包帯を纏い角が生えた白髪の男が来た。

ひぇ……何この人、めっちゃ厳ついんですけど……この角は鬼神族か。


「あんたは……」


「えと……?」


 え、何? なんかこっちに向かって来たんですけど!? この人に何かしたっけ? 

動揺している間に白の鬼神族は俺と目と鼻の先まで来た。



「俺の名は白鬼、あんた。名前は?」



見下ろされながらいきなり名乗り始めて、名前を聞かれた。

な、何? なんで武士みたいな事やってんの? まさか今から一騎討ちでもやるつもりか?

こ、怖いよ〜助けてバエルー!!



「ふ、双葉イツキ……」


(声震えててワロタ。めちゃくちゃびびってるじゃん)


(う、う、うるさいですね……)


すると白鬼はいきなり俺に跪いた。



「双葉イツキ、あんたのおかげでみんな助かった。心より感謝と敬意を」


ど、どうやら黒鬼を倒し、ドワーフと鬼神族を助けたお礼を言ってくれているらしい。

正直、リリスのことで頭がいっぱいだったので、ドワーフと鬼神族を助けた自覚というか、実感が全然湧かない。


それに結局は途中で力尽きてたし、最後はリリスがなんとかしていたような気がする。



「いや、そんな……俺、途中で倒れてたし、あの結界をなんとかしたのはリリスなんだろ? 俺は何もできてないよ」



自信なさげ弱々しい声で言うと白鬼はそれは違うと首を振った。



「あんたが踏ん張って黒鬼を倒さなきゃ俺たちはあのままやられてた。双葉イツキ、あんたも俺たちの命の恩人の一人なんだよ」



白鬼は見上げながら俺の瞳をじっと見た。

そんな真剣な瞳で見つめられると、こっちも少しは自信を持ってもいいのかなと思える。



「そういえば、お嬢さんもお礼を言った時同じようなことを言っていたの〜自分は何もしていない、こじょーのおかげだっての〜」


リリスがそんな事を……



「俺たち鬼神族はこの恩を忘れない。今はまだ無理だが、あんた達がピンチになった時には必ず助太刀する」


夕焼け空の元、まるで宣誓のように白鬼は言った。


そんなドラマや漫画のようなやり取りに俺は驚き半分照れ臭さ半分で白鬼に対して手を差し伸べる。


「よ、よろしく頼む。」


「ああ、任せてくれ。大将」


白鬼は微笑みながら、俺の手を取った。

そんな俺達の姿を夕日の光がスポットライトのように照らしていた。








「面白かった!」


「少し笑ってしまった」


「続きが気になる、読みたい!」


「クソニートのイツキは今後どうなるのっ……!」


と思ったら


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