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第170話 崩壊の始まり




ヒロムが放った『エレメンタル・ノヴァ』は自身が放つことができる最強の魔法だった。


しかし



「これでも……届かなかった」



ヒロムは悔しそうに涙を流しながら、その場に崩れ去る。


魔力も、スタミナも、全てを出し切ったヒロムはもはや立つことすら困難だった。



「しかし……見事な一撃だった」



立つことすらままならないヒロムに微笑みながらユウヤは手を差し伸べる。



「ヒロム、俺と本気でぶつかってくれて、ありがとう」


「ユウヤさん……」


差し伸べられた手に涙を浮かべながら、力強く掴む。


そして、ヒロムは北条ユウヤの手を握りしめて確かにこう言った。



「やれやれ、やっと計画を次の段階に進められる」



ヒロムの眼光は青く光っている。


その眼光は霊王ザラフがヒロムに乗り移っているということを意味していた。



霊王ザラフが対象を乗っ取る方法はただ一つ。


対象に接触し、自身の魔力を流し込むこと。



ヒロムに乗り移った霊王ザラフは北条ユウヤに自身の魔力を流し込んだ。



「……本当は体へのダメージも最小限に抑えたかったのだが……北条ユウヤめ。馬鹿正直に受けよって」



神器である不死の原石を使い、傷を完全に癒す。


ヒロムは意識を失くしたようにバタりと倒れ、まるで乗り移るかのように北条ユウヤの眼光は青く光る。



これは、霊王ザラフが北条ユウヤの体を乗っ取ったことを意味していた。



「さぁ!! 始めるぞ!! 覇王!」



霊王ザラフがそう叫んだ瞬間、世界が一変する。


闘技場地区ごと海も、地震動のように傾く。歴史に残る巨大地震に匹敵するほどの地震は津波を引き起こし、荒れ狂う海水は都市の崩壊へと誘う。


この災害を起こしているのは魔王軍最高幹部である「覇王」プライド・ノア。



「さて……最後の仕上げだ。双葉イツキは。決戦場だな」








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