第108話 売られた喧嘩を買いました!!
「ご馳走さまでした!! めちゃくちゃ美味しかったです!!」
「ありがとー! イツキくんは美味しそうに食べてくれるから見てて、楽しいよ。」
マリーさんは満足そうに顔を綻ばせた。
そんな嬉しそうに言われるとこっちまで嬉しくなってくる。
いいなぁ、将来結婚するならこんな暖かで笑顔が素敵で包容力がある人と結婚したいよ……
まぁ、俺の事を好きになってくれる女の子なんて居るかどうかすら怪しいけど。
「なぁ、なぁ、イツキ少年、俺とちょいと遊ばない?」
シュンさんは子供の様な笑顔でトランプと片手に肩を組みながら誘ってきた。
「えー今からかぁ」
正直、夜も遅くなってきたし、ぶっちゃけシチューを食べたことによってお腹が膨れて眠気が頂点なんだ。
それに二人でトランプって何するんだよ?
神経衰弱とかか?
「いいじゃん〜大富豪やろうぜ〜」
よりにもよって大富豪かよ。
2人でやっても何も面白くない奴じゃん。
何という糞チョイス絶対やらねぇーさっさと寝る。
「僕、超眠いんですけど……それに二人だけの大富豪とか悲しすぎるだろ。」
「それはイツキ少年が人を集めればいいんじゃん〜」
は?
しかもメンツは俺が集めるのかよ、余計やりたくなくなったわ。
「なんで俺が集めるんだよ。やるならシュンさんがメンツ集めてくれよー」
「だって、俺が誘っても断られるんだもん。イツキ少年が誘ったらきっとみんなやってくれるって」
だからやろうぜイツキ少年〜と言いながら俺が眠らない様に肩を揺らして来る。
う、うぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
無視無視無視!! おやすみ!!
「イツキ少年逃げるのか〜? 男のプライドはないのか〜?」
「男のプライドぉ〜?くだらねぇな〜そんな糞みたいなもんはとうの昔にゴミ箱に捨てたわ。」
今はプライドなんかより睡眠が大事ぃ。
「……ほんとにやらなくていいのか?」
「い・い・よ。寝させてくれ。」
シュンさんの警告を無視して座っているソファーにもたれ完全にスリープモードに入る。
「ちなみに賭けの対象は服だぞ。これはツバサ一座恒例、誰かの身ぐるみをまるで大貧民のように完全に剥ぐまで終わらない大富豪なんだ。」
!!!!!!!!!!!!!!!!
ばっ!! とソファーにもたれかかった体を一気に起こし頭をガリガリっとかきむしる。
「……男がよぉ!」
「おお」
「言われっぱなしでよぉ!! のこのことよぉ!!」
「おお!」
「逃げるなんて許されねぇよなぁ!!」
「おおお!!」
「男として許せねぇ!!」
「うおおお!!」
「その喧嘩ぁ!! 買ってやるぜぇぇぇぇぇ!!」
「ははっ! いいね!! やっぱ面白いやつだな。気に入ったぜ! イツキ少年!」
(この男、バカ丸出しである。)
「……それで私たちが誘われたって訳か〜」
ユッキーが笑い、厚底メガネをいじりながら言った。
ソファーには俺、シュンさん、ユッキー、糞ガキ、マリーさんの5人が座っている。
本当は団長を含めた全員でやりたかったが眠っていたので起こせなかった。
馬車を運転していて疲れていたようだったからな。
マリーさんとユッキーは起きていたので、誘ったら来てくれた。
マリーさんナイスボディだから剥ぐのが楽しみだ。
対してユッキーはぶっちゃけ胸はないが、正直それはそれでありなのである。
おっぱいが全てじゃないんだよなぁ。
「……そんな下らない用で俺を起こしたのか?」
モナは不機嫌そうに吐き捨てる。
こいつのこのクソ生意気な態度を粛清させるために誘った。
モナは気持ちよさそうに眠っているところを叩き起こして無理やり連行してきたなぁ。
それで怒っているのだろう。
「はぁ、俺はパス、明日は朝当番なんだ付き合ってられるかよ。」
立ち上がり寝床に戻ろうとするモナを見てシュンさんが耳元で
「おいおい、モナが行っちゃうぜ? いいのか?」
「まぁ、任せてくれ。俺が言いくるめるからさ。」
(おお、マスター自信有り気だね。)
こほんと咳き込んで喉の調子を整える。
自慢じゃないが中学校の頃は口先の魔術師・双葉イツキと呼ばれていた程である。
こんな糞ガキ、秒で言いくるめてやるよ。
「逃げるのかよ。糞ガキ」
煽るようにそう言い放った。
逃がさない。絶対に。お前は着てるその服を全部逃してその舐めた態度を改めさせてやるんだよぉ。
「なんだと?」
クックク、バカめ。思惑通り食い付いてきよったわ。
「勝負事から逃げることがかっこいいとでも思ってんのか? ああん? このスカシ野郎が! さてはトランプ弱いんだな? 俺に負けるのが怖くて断ってるんだろ? あーー!! やだやだ!! これだから大人ぶった糞ガキは嫌なんだ。お? なんだ? まだいたのか? やらないならさっさと失せろよこの糞ガキが!!」
(いや、ただの煽りじゃん。)
「言うじゃねぇか。お前と遊ぶつもりなんて毛頭ないが、完膚なきまで叩き潰してやんよ」
「おう、やれるもんならやってみろよ。この糞ガキが!! 俺に勝負を挑んだことぉ後悔させてやるぜ!!おらぁ!!」
モナがソファーに座り直し、シュンさんとアイコンタクトをして話を進める。
「それじゃあ、いつも通り、大貧民の人は服を脱いでいくスタイルでいくからな。一人が素っ裸になるまで終わらないってことで」
「まった!! 今回はさ……大貧民が2枚、貧民が一枚づつ脱いでいくって言うのはどうだ?」
今のルールーだと服を脱がすことが出来たとしても少ない時間では精々1人が限界だろう。
いやだ!!
俺はマリーさんとユッキーの両方の肌ける姿が見たいんだ!
妥協は許さない、それが俺、双葉イツキなのである。
「……!! いいな! それ採用!!」
やるじゃん、イツキ少年⭐︎とシュンさんはアイコンタクトを送ってきた。
別に、こんなの普通でしょ。
特に異論はなかったので、シュンさんはトランプを配り始めた。
こうして俺達の意地と衣服を賭けた大富豪の火蓋が切られた!!
「面白かった!」
「少し笑ってしまった」
「続きが気になる、読みたい!」
「クソニートのイツキは今後どうなるのっ……!」
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