第101話 5大ギルド会議
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「さて、現在勇者様達は次の八王城まであと少しのところまで前線を押し上げて下さっています」
(八王城? なんだそれ?)
(魔王軍の幹部って八王って言われてるんでしょ? そいつらの城ってことじゃない?)
(ああ、なるほど。八王が住む城だから八王城か)
わかりやすいというかシンプルというか。
「そこでですが、大変ありがたいことに再びボードウィン王国から支援を受けることになりました」
まぁ、キッシー王が処刑されて王が変わったからな。
だから、キャメロット王国とボードウィン王国の関係も修復されたのだろう。
確か、ボードウィン王国のことはまだ公にはなってないんだっけ?
多分、知ってるのは俺たちレギス・チェラムとエレナやイリエ王くらいか。
「へーあのけちくせぇデブが? どういう風の吹き回しだ?」
コウヤさんが物珍しく言う。
いや、デブって……まぁ事実なんだけどさ。
「キッシーは大軍を率いてネルトに侵攻したけどそこに居る双葉イツキくんに倒されたんだ。それで、処刑されちゃったってわけ」
ユウさんがコウヤさんの疑問点に答えた。
なんでこの人が知ってるんだ?
「………………」
コウヤさんは黙って包帯を巻いている俺を両手を見つめ
「くく……お前、イカれてんな」
愉快そうに笑い出す。
多分、俺が太陽の鎧を纏ったキッシーを殴り倒したことに気づいたんだろう。
「いや〜魔王軍も大騒ぎだったよ〜キッシー王と結託してこのキャメロット王国を挟み撃ちする予定だったのに台無しになったーってさ」
やはり、魔王軍とボードウィン王国がほぼ同時に動いたのは偶然じゃなかったか。
ユウさんがボードウィン王国の事情を知っていたもの魔王軍で情報を得ていたから……か。
「……待ってください。その話初めて聞いたのですが」
「あれ? そうだっけ? 魔王幹部には言うなって言われていたからかな〜」
エレナの追及をユウさんは飄々をかわす。
なるほど……本当に味方ってわけじゃないんだな……
ある意味2重スパイみたいな感じかもしれない。
エレナはおほんと咳払いをして話を続ける。
「今までは占領した城を改造し、砦として使い足場として前線を押し上げていましたが、今回は八王城の目前の所で新たに拠点を作る手筈になりました」
「エレナ様、そうなるとだいぶ戦いが楽にはなりますが資源や人手は足りるんですか?」
俺もチユと同じことを思った…
新たにってことは何もないただの草原とかに一から拠点を作るってことだろ?
資材も人も何より時間もたくさん必要になるはず……
そりゃ、敵の根城の近くに拠点を作った方が戦いも楽になるに決まってる。
今までそうしなかったのはそう出来なかったからではないのだろうか?
「今回はボードウィン王国から今までにないほどの膨大な資源と人手を支援していただくので全てが充分あるんです」
「え? そんなに支援してもらってるの? ボードウィン王国も結構ボロボロだった気がするけど」
思わず、エレナに聞いてしまった。
ボードウィン王国はキッシーと俺との戦いで甚大な被害が出てたはずだ。
あいつ好き勝手に暴れてたし。
「それが、双葉イツキが前線で戦うのならいくらでも支援させてもらうとおっしゃっていました」
「……え?」
「ボードウィン王国もまだ完全には立て直しが出来ていないのですが、それよりも命の恩人に少しでも報いたいとボードウィン家も方だけではなく、国民全員がそう望んだそうです」
(みんなを守りながら戦ってよかったね)
(ああ……そうだな)
あの時、命懸けで守った人たちが俺の力になってくれる。
そう思ったらなんだか胸が熱くなった。
「あとは拠点を作るまでの安全を確保しなきゃならないな……」
おそらく魔王軍の奴らも全力で潰しにかかるだろうからな。
問題は拠点作成にかかる時間だ。
いくら魔法を使っても1日くらいはかかるだろう。
「その問題点も大丈夫だと思います」
そう言ったエレナの声は自信に満ち溢れていた。
「へー何か手でもあるのか?」
エレナが俺の問いにどう答えるか考えている。
手はあるんだと思う。だけどそれをこの場で言ってしまっていいのかな? と悩んでいるのだろう。
そこで不意をつくようにユウさんが口を開いた。
「ドワーフ族と鬼神族に協力してもらう……とか?」
その情報に対して驚愕している者。
その情報を知っていることに対して驚愕している者。
驚愕した理由は人によって違っていた。
「これも魔王軍からの情報なんだけどさー少し前に鬼神族の手引きでドワーフ族を魔王軍に取り込むみたいな話があったんだよね」
しかしと言葉を続ける。
「それは一人の人間によって阻まれましたと……ねぇ? 覚えないかな?」
そう言いながらユウさんは俺の顔を見る。
まるで確信を持っているかのように。
おそらく、ユウさんは確信は持っているが、確証がないんだろう。
だから、今確証を求めてる。
「じゃあ、先に魔王軍の情報を教えてあげよう」
ユウさんはこのままではエレナが何も言わないと判断したのか指を3本立てて提案してきた。
「まず、1つ。この戦い、俺が魔王軍から与えられた役割はイリエ王の相手だ」
イリエ王ってエレナの父ちゃんじゃん!!
そういえば、王族ってエレナ含めてめちゃくちゃ強いってレイアが言ってたような……
「まぁ……国王様って馬鹿みたいに強いから、せいぜい足止めしか出来ないだろうけどね」
やれやれと言った感じでユウさんは言った。
できれば戦いたくない。絶対にしんどいと痛げな表情だ。
やっぱりエレナと同じイリエ王も鬼つよなんだなぁ……
「2つ。今回戦うことになる双王なんだけど、彼らは双子なんだ。つまり……」
「双王は2体いる……」
チユの言葉にユウさんは頷く。
「はっきり言ってしまうとさー今回は今までの戦いとはわけが違うんだよね」
それはどういう……?
「今残ってる八王ってどれくらいだっけ? じゃあ、リンカちゃん」
リンカはいきなりのキラーパスにびっくっ! となった。
「え、と……ご、4?」
あたふたしながら指で数えて自信なさげに答えた。
「正解、残る幹部は騎士王、竜王、霊王、双王の4体、つまり、これは分け目の戦いなのさ。勝った方が圧倒的に有利になる。覆すのが困難な程にね。だから魔王軍も勝負を決めに来てるってわけ」
「……なるほど、今回の戦い。犠牲者が出てもおかしくはないですね。いや、むしろ……」
そう言ったチユのの表情は犠牲者は絶対出るだろう、むしろ出るのが当然だとそう言いたげだった。
会議室内の空気もそういった感じになっている。
犠牲者が出てしまっても戦い抜く。という意志が空気をピリつかせた。
「それでも、犠牲者なんかださねぇよ。そのために戦うんだろ」
「……無責任な言葉ですね」
そうチユは吐き捨てた。
……あれ? なんか俺に対して当たりキツくないか?
ま、まぁ……いいや。
「ぶっちゃけ、この戦いで人間につくか魔王軍につくか決めようと思ってるんだよね。俺にとってはどっちが生き残ろうがどうでもいいからさ……だから、そっちの情報もくれないと判断できないんだよね〜」
そう困ったようにグラサンをかちゃかちゃする。
「最後の3つ目。兄・双王クォーツと弟・双王オキニス……魔王軍の手札はそれだけじゃない。この戦いは双王の他にもう一体、参加する王がいる」
「「「「!!」」」」
全員が驚く中、俺はある言葉を思い出していた。
最悪だ。
なんでよりによって今、思い出すんだよ。
『また会おう双葉イツキ』
「あ、誰なのかまでは流石に教えられー」
「騎士王……この戦い、来るのは騎士王だ」
俺の言葉にユウさんは予想外と言わんばかりに目を見張った。
「へぇ……分かるんだ。まぁいいっか。そうイツキくんの言う通り、お姫様たちが戦うのは双王クォーツと双王オキニス……そして騎士王だ」
魔王幹部が3体……これまでの戦いとは規模が違う。
そして何より来るのがあの騎士王ジークハルト。
魔王軍は本当にここで勝負を決めにきたのだと確信した。