前章までのあらすじ+プロローグ【シーズン2】
未来予知のできるエリゴルはモルカナ国の仲間(オレッ娘姫様のマルバス・性別不明のキユリー・マルバスの妹バティンなどなど)と共に、魔王国討伐のための同盟国作りを目指して国々を旅します。
マルバスの母の仇である犯罪組織“闇星”や災厄の獣どもである“十二死”などのいろいろな敵と闘いながら、やって来たのは……。
【シーズン2】
昨日に戻る。
宿屋のベッドで起きる。
そしてエリゴルが部屋の中で目にしたのは自分の知らない見知らぬ少女。
彼女はエリゴルのことを知っているようで名前は『フレンドちゃん』というらしい。
次の瞬間、フレンドちゃんの頭突きがエリゴルを襲う。
そしてよみがえるループ中の記憶。
そんなフレンドちゃんの頭突きでこれまでのループ現象中を思い出した。
そこでエリゴルはフレンドちゃんに十二死の呪いを解く方法を尋ねてみる。
しかし、フレンドちゃんはそんなものはないと残酷に答えた。
更にフレンドちゃんは語る。「実は十二死には特性がありまして【十二死同士は弱体化】するんです。簡単に言えば、超能力の弱体化とかですね。」というのだ。
つまり、それは酉のループ現象はアドニスの呪いには効果が効きにくいことを示していた。
それは認めたくない真実ではあったが、エリゴルは残酷にも酉を倒してアドニスを苦しみから解放するという選択肢を選ぶのであった。
その後、なぜかキユリーに頼まれてエリゴルだけが同盟作りのために動くことになった。
ルーラーハウスに1人で向かうエリゴル。その途中でアドニスとも再会しつつ、ルーラーハウスにやって来た。
しかし、エリゴルは拘束されてしまう。
その原因はルーラーハウスに届いた予言書。
なんとか誤解も拘束も解くことに成功したエリゴルはハルファスに頼み込む。
それは一緒に馬車の墓場道に巣くう怪物を討伐しようという意見であった。
緊急会議。エリゴルは彼が知っている情報をほとんど会議内で暴露した。
その会議で酉に対する対策をたて続けて2時間で会議は終了する。
その後はハルファスに同盟を許可してもらったり、モルカナファンで一番狂国好オアズケ軍服女であることが明らかになったり……。
その後、なんだかんだあって合流したキユリーとエリキユ契約を結んだり……。
さまざまなことがあって、エリゴルたちは馬車の墓場道に到着したのである。
馬車の墓場道でアドニスの母親とエリゴルが対面する。
結局、酉の再降臨。
酉を馬車の墓場道に呼び寄せることに成功した。
そして始まるのは酉への攻撃。
15台の大砲からの砲撃のあらし。
呼び出された酉を砲撃により弱らせて、最後は一気に兵士たちがトドメを刺すというわけだ。
酉も抵抗はしてくるが、砲撃のあらしに次第に弱り始める。
だが、酉は宙を飛んだ。大空へと羽ばたいた。
そしてここから酉による大量虐殺が始まるのである。
時戻し。
酉は逃げ惑う兵士たちの位置を時戻しして食らいつく。
兵士たちは馬車の墓場道から出ることができずに、永続的に元の位置に戻る。
それを食らう。逃げる食われる逃げる食われる。
その地獄絵図を見かねたエリゴルは酉の注意を引くために馬車の墓場道の中央付近へと向かう。
救えない命に悔やみながら、エリゴルが酉のもとへとたどり着く。
そして、戦いは始まった。
だが、ただの人間1人で十二死勝つことはできず……。
エリゴルは全身傷だらけになりながら、酉の足で捕らえられてしまう。
そして、酉はエリゴルごと羽ばたき始めたのだ。
エリゴルごと上空へと羽ばたいている酉。
どうやら酉は絶対に落ちても助からない位置からエリゴルを突き落として始末するつもりのようだった。
絶望的な状況。
だが、その時。不思議なことが起こった。
どこからかヴァイオリンの演奏が聴こえてきたのである。
こんな遥か上空まで届く音色はあるはずがない。
それでも酉もエリゴルもその音色を聴いた。
しかし、それだけではない。更に不思議なことが起こる。
酉が音色に誘われるようにゆっくりと降下し始めたのだ。
どうやらネゴーティウムに向かってゆっくりと降下している。
エリゴルはこのチャンスを見逃すまいと、酉の足から気づかれないように戦闘体勢を整える。
そして一曲目が終わった時。
我に帰った酉を待っていたのは砲撃。
ハルファスが残りの砲弾すべてを使って砲撃を始めたのだ。
完全に砲弾に気をとられていた酉に僕はトドメとばかりの一撃をくらわせる。
酉の前頭の左目に青い短刀を突き刺して、そのまま重力に任せて落下していくのだ。
まるでジッパーのチャックを開けるように……。
叫ぶ酉。血を噴き出す酉。
エリゴルも酉も地面に向かって墜落しそうになっている。
その最中、エリゴルはキユリーの名を呼んだ。
キユリーとハルファスの協力でなんとか墜落死は免れたエリゴル。
酉の全身にはガソリンが撒かれていて、火を放てば全身丸焦げになるだろう。火葬である。
だが、酉は生きていた。今にも死にかけで血だらけになってはいたが起き上がったのだ。
しかし、さすがの酉も炎にはかなわない。
放たれた炎に苦しみ悶え暴れる酉。
その姿を見ながら、兵士たちは時戻し対策として酉との距離を取り始める。
エリゴルもキユリーやハルファスの手助けもあって距離を取り始めたのだが。
彼は大事な事を思い出した。
まだ勝敗は決していないのである。
エリゴルの不安は適中した。協力者であるアドニスの母親による協力で酉は炎を消火したのである。
こうして再び対面することになったエリゴル・キユリー・ハルファスvs酉・アドニスの母親。
───ただし、更に最悪の事態へと動き始めた。
エリゴルが止める暇もなく。
酉による今日という日を無かったことにできるループ能力『日付戻し』が発動したのだ。
────すべては遅かったのである。
ただし、間一髪で酉のサケビは邪魔された。
マルバスと赤羅城の登場によって酉は叫べなくなった。
だが、酉にはまだ時戻しが残っている。
マルバスの銃が速いか、酉の時戻しが速いか。
速打ち勝負である。
しかし、ここで予想外の出来事が発生。
マルバスの銃弾が酉の命を奪おうとしたその時。
酉の姿が消えたのである。
こうしてネゴーティウムでの騒動は終結。
ただ、ネゴーティウムでの問題はまだまだ残っていたようだが。
エリゴルとキユリーは友人の墓参りへと足を進めるのであった。
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【次章プロローグ】
子は上位を目指し生き延びる。明日を生きるために未来を過ごすために。
そう、ここは努力した者に幸せが与えられる。
だから、這い上がって。だから、必死になって。
そして更に高みへとその手を伸ばして。
大丈夫。大丈夫。
この国の女帝は我らを見てくれる。
我らの努力を認めてくれる。
そして生命がつきる瞬間まで女帝は我らを信じてくれている。
あの高みで待っていてくれる。
あの高みに登り詰めた者はいないけれど。
きっと階級や資格がないだけだ。
さぁ、登ろう。見捨てられないようにして。
他人を蹴落とし、他人を裏切り、他人を利用し、他人と堕落し……。
女帝のために捧げよう。我が人生も我が愛も。
さぁ、上れ上れのしあがれ。
女帝の愛を結ぶため。我が人生を捧げよう。
ここは賭博と遊戯と遊里に満ちた社会階級国。
災厄から逃れし民がさ迷うこの地に、権力の炎が刃を焦がす。
女帝は常に我らを見定め、すべてを裏切り牙を向き、恋い焦がれる炎はかき消えぬ。
知識と欲望とが相対し、転覆の一撃が巣くう女狐の首を見る。すべては金の道しるべ。
新章『遊知救炎国アンビディオ』
新章『遊知救炎国アンビディオ』は7月3日より毎週土日更新でございます。よろしくお願いいたします。




