「あたし、自立してないヤツって嫌いなの」
される側の気持ちなど一切考えず、常に取っ替え引っ替えしている女子高生の査定ときたらもう男顔負けで、非常にシビアだ。制服でうろうろしていたその女は、選り取り見取りの中、やがて目線を定めた。
「確かに貴方は独創的かつ魅力的。でもね…………」
遠慮なく体に触れてからの逆接である。そしてハッキリと以下のように告げるのだった。
「あたし、自立してないヤツって嫌いなの」
女の口攻撃は止まらない。
「貴方みたいなタイプって、結局は見た目全振りなだけ。器は小さいし、すぐあっち向いたりそっち向いたりフラフラしてて、安定性に欠けるじゃない? すぐヘタって倒れちゃう。……使えないのよ、正直。そのイライラを毎日味わうだなんて考えられないんだもの。
とりあえず一目見るだけで満足できるイケメンっているでしょ? 残念ながら貴方ってそういうタイプ。ほら、付き合うのと結婚はあくまで別みたいな? まあよくある話よね」
ふう、とついた女の溜め息が終了のゴング代わりであった。
「ごめんね〜〜」
ちっとも申し訳なさそうに女は売り場をあとにした。その後、満足げな顔でレジに金を差し出す女。選ばれたのは、象やらゴジラやらが踏んでも壊れないあの王道モノだった。