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助けた猫と冒険旅行  作者: とうふビール
9/12

到着

           9



ルナが上手くカエルを惹きつけてくれている為ミナと俺は攻撃出来る。

少しは効いてる感じだが…。


そこへマミの魔法が完成した。


慌てて離れる俺とミナ。


カエルも何かを察したか、飛び跳ねようとするが上から強風て押し付けられ更に風の刃で切り裂かれる。

「ゴァァァ!」


上手くいったようだ。背中に無数の切り傷をつけ、片目も切られたようだ。

かなり動きか鈍っている。


「マミ!もう一発!」

既に準備にはいっているようだ。


「ミナ、ルナもう少しだ!マミの魔法まで足止めするぞっ!」


「任せてくださいっ!!」

「ガゥ!」


ルナが引きつけ、ミナと俺で攻撃を繰り返す!


後ろ足はほぼ動かせない様だ。


ふと気を抜いた瞬間、カエルがこっちを見た。


「ショウ!」


ドンッと突き飛ばされ地面に吹き飛ばられながら、ミナがカエルに喰われた瞬間が見えた!!


「ミナっ!バカっ!」


その時再びマミの魔法が発動しカエルの頭が切り落とされた!


カエルはまだ脚をバタつかせていたが、構わず頭があった箇所に取り付き手を突っ込む!


「ミナッ!ミナっ!!どこだっ!?」


ふと、手が生えてくる!慌ててつかみ引っ張り出す!

「マミっ手伝ってっ!!」


マミも手伝い引き出すとベトベトになったミナの頭が出てきた。


「ぷはっハァハァ」


既に横たわったカエルの身体からミナを引き出して抱きしめる。


「ミナっ良かった!無事かっ?怪我は?痛いとこ無いか?ごめん俺がぼーっとしてたから!」


「ふふふっ大丈夫だよ、ショウ助けてくれてありがとね!マミもありがとう!」


「俺の身代わりとかもう止めてよっ!」

「無事で良かったですぅ。」

「駄目ですよ!ショウが危険だったら何時でも身代わりになりますよ!」

「…ん、でも身代わりは駄目!もう油断しないっ!もっと強くなるから!」

「…そうですね。もっと強くなってください。私も身代わりではなく、危険な目に合わせないよう強くなりますから!」


「とりあえず移動しませんかぁ?」



カエルをとりあえず収納し、まだ雨の降る中小屋へ戻る。


ミナは怪我はない様だが、俺が不安だった為手を握っている。

マミはニヨニヨしていたが、ミナが死ぬかもしれない恐怖はまだ消えない為、気にする余裕はまだない。


「この草原、あんなカエルがまだ居るのかな?」


「どうでしょうか?かなり強かったですが、あれが雑魚だとするときついですね。」


「まだ明るいですし、休んだら出発しましょうぅかぁ?」


「そうしよう。あと何か魔物がいたら戦ってみよう。」


少しの休憩のあと、少し弱くなってきた雨の中進むことにした。しかし相変わらず他の魔物はい見当たらないようだ。

それならそれで距離を稼げるので問題はない。


しばらく歩き、まだ明るいうちにテントの準備をする。雨はかなり小降りになっている。


今夜は見張りをしながらだ野宿だ。他にもカエルが居たらヤバい。

日暮れ頃にはようやく雨は止んだ。どこからかブウウウウウウンという羽音のような音が聞こえてくる。

今はマミと俺で見張りをしている。近くの木にカンテラを吊るし明かりにしているが十分とは言えない光量の為、見辛いがでかい蚊が飛んでるようだ。大型犬ほどのサイズで血を吸われたらミイラになって死にそうだ。


幸い弱かったので問題無かったが、数が多くて鬱陶しい。こんなサイズか餌ならカエルもデカくなるのは納得だ。


朝になっても蚊が多かった。他にトカゲやカマキリも居たがサイズがデカい!車位もある。

しかし強さはたいしたことがない様だ。やはりカエルが危険らしい。


順調に進んで無事にシエールの街につくことが出来た。


「やっと着いた〜。」

「蚊ばっかり出て気持ち悪かったよ〜」

「ふかふかベッドで寝たいですぅ。」

「わふ〜ん」


今回の移動は準備と情報が足りな過ぎた。反省だ。後は特定の攻撃か効きづらい魔物もいるってことだ。

武器の強化か魔法使いが居ると良いな。


そこそこの宿をとりギルドへ。


「魔物買取に出したいんだけどここでいい?」


「買取なら奥でお願いします。」

言われた通り奥に行く。

「買取お願いします。」


「何を狩ってきた?」

今回はカエルやカマキリのカマ等しか無い。「デカいのはカエルですね。」

そう言ってカエルを出す。

「え?」

「頭切れてますけど、良いですか?」

「あ、ああ、それは良いが、これ草原の?」


「そうです。手強かったですよ。」

「ええええええ、マジでかっ!?」

「…そりゃまだ旅を初めたばかりですからね。」

多少ムッとしつつも初心者を強調しておく。


「いやいやいや、そういう意味じゃなくて、こいつと出会って生き延びた者は殆どいないって意味だっ!!まともな目撃情報ですら無くて存在すらデマの噂もたつほどだがっ?」


「そうなんですか?」


「どこで会った?」

「確かミネスタから2日ほどの草原の小屋ですね。何日も雨が降り続いた時に。」


「あれか!あの雨も何か魔物が絡んでるんじゃないかと噂かあったが、まさかこいつなのか?」

「いや、そこまでは分からないけど。」


「まぁいいっ!何にしても少し時間をくれっ!色々調べる!」


「しばらくこの街に居ますからゆっくりで良いですよ〜。」


クエストは今までと違い、草原と砂浜、海等がある。

取り敢えず魔物討伐等を受けて、街を周る事にした。


海が近いだけあっていい匂いがそこら中から漂ってくる。


「海の幸美味しかったですよぅ。」

「マミはこの街から来たんだもんな。オススメの店ある?」

「はいっ知ってますぅ!行きましょ〜!」

「任せた!ミナ行こう。」

「……」

「ミナ?」

「はっ!?」

「…よだれ……拭こうか…。」

「ああっ!?」

慌ててよだれを拭いて着いてくる。猫だもんな。好きそうだよな。




「ここの『パエリア』と『エメラルドロブスターのチーズ焼き』が絶品でしたっ!」


「ショウ!!この、『グラスフィッシュの香草焼き』食べたいっ!!」


「どっちも旨そうだよ。食べてみよう。ルナ用に肉も注文しよう。」


ウエイトレスの女の子を呼んで注文を済ませる。

「ついでに聞きたいんだけどこの辺にこの子も泊まれる宿あるかな?この子も仲間なんだ。」


ウエイトレスーリグルーは笑顔のまま、「あ、それならお店を出て広場と逆に行くと『フレンズ』っていう宿がありますよ。」

「『フレンズ』か。ありがとう!」

リグルは時間がかかる料理なので他にあればお呼びくださいと言って仕事に戻る。


「ふむ。じゃ皆先に食べててくれ。ちょっと宿行ってくる。ルナも一応来てくれる?」


「行ってらっしゃいですぅ!」

「あうーー。」

ミナか唸ってる。俺に行かせるのが不満なんだろう。でもご飯も気になるってとこか。

「ははっ。良いよミナは先に食べてな。」


「っ!……お願いします!」

軽く手を上げてルナと店をでる。言われた方へ進むと何軒か先に『フレンズ』があった。こじんまりとして年期の入った建物だが手入れが行き届いていて雰囲気が良い。


中に入ると受付で女性が仕事をしている。

「いらっしゃいませ。お部屋をお探しですか?」

ゆっくりと落ち着く話し方だ。安心出来る声だ。

「ここで、こいつも泊まれるって聞いてきたんだけど?」

女性はルナを見て「はい。泊まれますよ。賢いお連れ様ですね。お二人ですか?」


「あ、あと2人女性が居ます。」

「申し訳ありません。ただいま一部屋しか空きがなく同じ部屋で宜しければご用意出来ますが?」

「寝る場所があれば大丈夫です。じゃお願いします。今この先の店で食事中するところなのでその後に来ます。」


「かしこまりました。もしかしてこの宿はリグルという者からお聞きになりましたか?」

「はい、そうです。」

「分かりました。ご用意をしておきますので、後ほどおいでください。」


店に戻るとミナとマミは何かをつまみながら飲んでいる。

「お待たせー。」

「おかえりなさーい!」

「どうでしたか?」

「うん、部屋とれたよー。でも一部屋しか空いてなかったから今日は相部屋で我慢してね。」


「あらあら、うふふ。」

「我慢なんてとんでもないっ!むしろショウと一緒に寝たいですっ!はっ!衝動を我慢しろってことですかっ!?」

「まぁ問題無さそうだな。」


「お待たせしましたー!」

リグルがいいタイミングで料理を持ってきた。

「部屋空いてましたかー?」

「ああ、一部屋取れたよ、ありがとう」

「良かったです!何かあったら呼んでくださいね!」

そう言って忙しそうに戻っていった。リグルはテキパキと動いていて、それでいて適度にお客さんと話もしつつ仕事をこなしている。彼女はできる子だ。


そんな事を考えながらミナが取り分けてくれた料理を食べる。

パエリア旨い!魚貝の出汁を米と野菜が吸い込んで少しお焦げが出来て見た目も鮮やかで楽しくなる!

香草焼きも香草の良い香りが食欲をそそりふっくらしっとりと焼き上げられたグラスフィッシュの腹には香草や大蒜が詰まっている。

香りだけで酒が進む!

ミナは待ちきれないというようにガツガツ食べていく!微笑ましい。

肉は子豚の丸焼きだ。子豚だけど意外と大きい。まぁルナならペロリだろう。少しもらうとジューシーに焼き上げられ、切り分けた箇所から肉汁が溢れ出す。

旨すぎる!久しぶりの料理という点を差し引いても旨い!



たっぷりと料理を堪能しほろ酔いになって宿に向かう。


「すいません、遅くなりました。」

「お待ちしておりました。只今ご案内します。」

受付の奥から女性が出てくる。

「あれ?リグルさん?」

「どうもー!さっきぶりですね。すぐに案内しますね。」

「ここでも働いてるの?」

「はい、というかここか家なんです。受付は母です。」

「なーんだ、そう言うことかー。」

「騙したみたいですいません!」

「あ~いいよ。リグルさんの家族なら信用出来る。」

裏の感じられない笑顔で

「ありがとうございます。朝食もありますのでよろしければどうぞ!それではゆっくりとお休みください。」


ベッドはミナとマミに使わせ、俺はソファを使う。その側でルナが丸くなる。


横になると、数日の疲れのせいかすぐに眠ってしまった。



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