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助けた猫と冒険旅行  作者: とうふビール
8/12

出発

          8



スタンピードから1週間が経った。あれから、魔物を減らそうと冒険者達が頻繁に狩りにてるようになっている。


怪我人もでているが、複数のパーティで連携して狩りをしているようで大事には至っていない。



俺たちは、あの後有名人になってしまった。正直困る。何処に居ても人だかりが出来てしまうのだ。どうにかして欲しい。


一応武器を見に行った。流石に棍棒では頼りなくなってきた。俺はメイスが気になっている。

ミナはも一応武器を見ている。モンクだと爪とか槍の様な棒状の武器だろうか?

ミナは殴るのが好きらしいので爪が気になっている様だ。

「やはり自分の身体で直接攻撃がそそります。」

「怖っ!!?マジなのっ!?」

ミナが恐ろしい事を言い出した!

「気持ちは分かりますぅ。」

「分かんのかよっ!?」

マミまで共感してきた。

「ワフゥ」

「ルナもかっ!?……まぁルナはそうだな……。」


まぁしかし、女性は怒らせないように気をつけよう。


俺は結局片手でも扱えるくらいの重さのメイス、ミナは少し長めの切り裂くタイプの爪がついた篭手と一体型のもの。見た目が怖い。



装備も新しくなったしそろそろ次の場所に行っても良いかもしれない。次は港街だったか?


「ちょっと鬱陶しい事になってきたから街を出ようと思う。何かやり残したことはないかな?」


「特に無いです。」

「大丈夫ですよ〜。いつでも移動できますよ。」

ルナも頷いている。


「良し。なら今日中に出ていこうか。」



「……出かけちゃうんですね。。」


あからさまに寂しそうに宿の娘のセシールが話してくる。

「まぁ、ここには転職だけのつもりで来たからね。随分と長く滞在したけども。」


「またこの街に来たら、泊まらなくても良いから顔を見せてほしいです。。」


「うん。そうさせてもらうよ。ありがとう。」


おやじは相変わらず突っ伏して寝ている……のか?微かに肩が震えている…気がする。


ギルドに渡してない蜘蛛の糸もそこそこあるし、かなり稼がせてもらったので懐も暖かい。


次の街シエール迄は1週間の距離らしい。途中大草原を通るらしい。見通しは良いので不意打ち等は心配しなくて良さそうだ。


見通しが良いということは魔物からもよく見えるという事だが。連戦が続くとか無いよな?

ただ草原には途中に休憩出来る小屋が設置してあるらしい。見つけたら使わせてもらおう。



街を出て2日目。

思ったほど魔物に襲われないようだ。結構その辺りをうろついているが、積極的に襲ってくる様子はない。


ただ昨日から雨が降り続いて居るのが気が滅入る。傘など無いからフードを被って進んでいる。蜘蛛の糸で作った服は水を弾くようで中まで染みてくることはないが、見通しが悪く音も聞き取りづらい。つまり当初の目論見と違い、不意打ちの可能性が出来てしまった。

後は方角が分かりづらい。草原だから目印が無いのだ。

遠くに山があるから何となくは分かるが、道を逸れている可能性はある。

と、思っていたら小屋が見えてきた。

しばらく休ませてもらおう。



「はぁ、酷い雨だな。そういう時期なのかな?」

「まぁしばらくは様子を見ましょう。」


のんびりするにはいいのかな?外に出られないが。取り敢えず濡れた服を乾かそう。

小屋はシンプルで中にはテーブル1つと椅子が4つだけ。


「そう言えばマミがいたパーティは何か目的があったの?」


「たいした事ではないですよ。転職とクエストですねぇ。鬼蜘蛛の糸頑張ればいけるかと思ったんですけどね。」


「そうか、ごめん、嫌な事を思い出させたね。他の仲間は残念だったな。」


「俺たちは特に目的がある訳じゃないんだけど、ただこの世界を見て回りたいなと思って出てきたんだ。ルナは重症だったのを助けたら懐いたんだ。」


「私は何処までもショウについて行くって決めてる。」


ミナを温かい目でみて微笑んでから

「…急にどうしたんですか?」


「ん?まだ時間がありそうだからさ。お互いを知るのに良いかなって。」

ミナの事はよく知っているけど、マミは特殊な状況で仲間になったと思ってるからな。

目的があってその途中ならば抜ける事もあるのかなぁって。ルートを逆走してそうってのもあるし。


「気を使っていただいてありがとうございます。ですが、私は大丈夫ですよ〜?むしろショウさん達と出会えて良かったと思います。」


ルナもそれに賛成なのかマミの横に並んでいる。


「なら良かった。じゃあシエールに着いたら船に乗ろうと思うけど良いかな?」


「問題ないですよぅ。」

「何処に向かうんですか?」

「わふっ」


「ん〜?行き先が分からないからどこに行くかは着いてから考えるけど、乗るのは確定だね。ミスリルを探しに行くのもいいかも。」


「ショウが居るならどこでもいいよっ!」


「ははっ頼りにしてるよっ。」



雨はその後も降り続けている。小屋に来てから3日目だ。異常な降り方だ。この辺りではこうなのか?


「こんなに降り続くものかな?」

「確かにどこか変ですねぇ。」

「ミネスタでもこんな話は聞いてないですね。何でしょうか?」


「グルルルゥッ。」


「どうしたルナ?」


ルナは入り口の方を睨みながら唸り始めた。雨の音以外は聞こえない。


「外に何か居るようですよぅ。」

マミが答える。


「魔物かっ?」


外の気配を覗いながらドアを開く。

ザァーという地響きの様な雨の音。

何か居るとしても音は頼りにならない。雨の滴が霧のように立ち込め視界も悪い。


しかしルナは正面を睨んだまま、唸り続けている。


「何だ?何が居るんだ?」


「見えませんが、確かに何か居ます。」

ミナも感じている様だ。


「気をつけてくださいぃ。もう近くまで来てますぅ!」


その時、数メートル先にバチャン!と何かが降ってきた。

「グルルルゥ!ガゥッ!」

吠えると同時にルナが飛び出し突っ込んでいく!

でかい何かがジャンプした!


ヤバいっ!慌てて、前に猛ダッシュ!その直後にさっきまで立っていた辺りに巨体が着地した!


ソイツは毒々しい紫と黄色で高さ2メートルほどのカエル。

「グアッ!」

と鳴くとコミカルな動きでバチャバチャと方向転換した。


「正面はヤバいっ!食われるぞっ!左右に回り込みながら攻撃するぞ!」


ルナは遠吠えをすると危険と判断したのかルナに向き直る。

その隙にマミが攻撃するが、表面が滑るようでクリーンヒットしない。ミナの爪なら効きそうだが、なかなか近づけないでいる。


取り敢えず防御力アップの魔法を皆に掛けておく。

スピードはそれほどでもないが火力が足りないか。マミの精霊魔法は効くだろうか?


「マミ!矢は駄目かっ?」

「角度によると思いますぅ」

「魔法はどうだ!?」

「正面だと効きにくいかもしれませんよぅ」

「腹側は?それか上から押しつぶす様に切れないか?」

「やってみますぅ!」


「ミナ!ルナ!ソイツをできるだけ動き回らせないようにしてくれ!出来れば後ろ足を狙って!」


「やってみます!」


自分も隙きを見て新武器を試してみたい。叩き潰す感じで使えば効きそうだ。


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