初クエスト
初クエスト
早速ギルドに行ってみる。
「クエストを受けたいんだけど。」
「あっ。お待ちしてました!お願いしたいクエストがあるんです!」
受付嬢―アンナというらしい―は興奮気味に言ってきた。
「ちょっと待ってください。初めてなので、簡単なものをやってみたいんだ。良いですか?」
「あ…申し訳ません。そうですね。では、説明いたします。」
アンナさんは照れながら説明してくれた。
「クエストを受けるにはあちらの掲示板に貼ってあるクエスト票を剥がして受付に持って来てください。クエスト票には目安となるレベルが書いてありますので、参考にしてください。あまりにもレベル差がある様でしたら、受けられません。」
「へぇ〜。分かりました。見てきます。ミナ、行ってみよう。」
「はい。」
掲示板の前まで移動して全体を眺めてみる。板は大体黒板くらいのサイズ。
そこに、クエスト票がびっしり貼ってある。
薬の材料の採取、魔物の討伐、人探し、ビラ配り、配達等など色々だ。
ある程度眺めたあと、適当に1枚剥がして受付に行く。
「こちらへどうぞー」
アンナさんが気付いて呼んでくれる。
「これ、お願いします。」
「はい。薬草採取ですね。すぐ現物を持ってきますので少々お待ち下さい。ショウさん達には簡単過ぎると思いますが、初クエスト頑張って下さいね!」
「ありがとう。行ってきます。」
この後、採取する薬草を見せてもらってギルドをでた。
町の入り口に向って歩いているとミナが聞いてきた。
「ショウ、魔物討伐じゃないんですか?」
「ん〜?取り敢えず、薬の材料採取かな。薬の材料なら知っておいた方がいいと思って。いずれ自分で作れたらいいな〜ってね。」
「なるほど、さすがショウ様です!ショウ様が怪我をすることがないように、しっかり護衛します!」
「自分もそうだけど、ミナの事も心配だからね。無理しないように。それと、戦うだけでなく、逃げることも選択肢に入れて行動しよう。」
「はいっ♥」
ミナが少しボーッとした感じで嬉しそうに返事をした。
「あんまりボーッとするなよ?」
「気をつけます。」
「じゃあ早速行ってみるか。町の南の森付近に生えてるらしいらしい。魔物も一応居るらしいから、ボーッとするなよ?頼りにしてるから。」
少しイチャイチャしながら、町を出る。
ミナって猫だったんだよな。今のなつき用は犬みたいだけど。
ミナは家で色々と手伝っていたので、料理、洗濯、掃除、荷物運び、戦闘何でも出来る。
さらに胸が大きく、愛嬌もありカワイイ。
今は奴隷だった時のショートパンツに、少し大き目のTシャツ姿だ。
「……。ミナの防具買っていくか。」
「大丈夫ですよ。お金が勿体ないです。」
「いや、買わせてくれ。」
このままだと目の保養…じゃなくて目に毒だ。
防具屋に入ると、チャイナドレスの様な動きやすそうな服が飾ってあった。
だけど、スリットが入っていてかなり際どい。
「ミナ、これはどう?動きやすそうだし、似合いそうだよ。」
「………」
「…なに?」
「ショウはこーゆーの着てほしいの?」
「駄目かな?」
「ふふっ。仕方がないから、着てあげます。その代わり後でお願いがあります♥」
ミナの俺を見る目が変わった気がする。。。
その日の夕方。
クエストは無事達成し、ついでに魔物も少し倒せた。
余裕でした。
そしてミナが強すぎた。魔物がかわいそうになるレベル。
宿で夕飯を食べながら、今後の相談。
ちなみに飯の味はそれなり。不味くはないが、旨くもない。
「明日からだけど、しばらくお金を稼ごうと思うんだ。今は何より装備と、回復アイテムを揃えておきたい。その他はこの地域の情報とレベル上げかな。」
レベルはかなり多めにあげるタイプだ。なのでクエストも討伐メインで受けていくつもりだ。
「何があろうとショウ様に従いますので、命令して下さい。」
「ありがとう。でもミナはもう奴隷じゃ無いんだから、仲間として思うことが合ったら色々と言ってほしいし、一緒に考えていこう。」
ミナは嬉しそうに耳をピョコピョコ動かすと、ピッタリとくっついてきた。
食べ辛いんだけど…?
「私が食べさせますから問題無いです。」
いや、問題あるよ?周りの視線がヤバい。睨み殺されそうなんだけど。。
「チッ」
隣のテーブルが怖い。ここにいると、襲われそうだから早く部屋に戻ろう……。
部屋にお湯を貰い身体を拭くと、やる事がなくなって緊張してきた。
何故ってベッドはシングルが1つ。
そして、ぐいぐい距離を縮めてくるミナ。
「ショウ様。一緒に寝ましょう?」
「それがお願い?」
「いえ、お願いは別にあります。寝るときは以前助けて頂いた時のように抱きしめられていたいんです。」
そこまで言って居住まいを正すと、
「お願いはずっとショウ様のそばに居させて欲しいって事です。」
ああ、かわいいなぁ。
「駄目ですか?」
上目遣いで聞いてくる。こんなの駄目とか言えないだろ。
「え、あ、駄目じゃないよ。」
素っ気ない返事になってしまう。
「うふふ。良かったぁ!じゃ寝ましょう!ギュッてして下さいね。」
はぁ。やわらかい。
何これ?
この身体にあんなパワーが有るなんて信じられない!