酔っぱらい
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一応シエールの市販武器を覗いて見たが鉄製ばかり。
武器は取り敢えずここ迄か。まぁシエールでやることがあるわけじゃないから船に乗っても良いんだよな。
ここから出てる船便はジプシャンとマラーシという街らしい。
ミスリルがあるのはマラーシの方だ。こちらの大陸には火山がある。
ジプシャンがあるの大陸は大きくてエルフはこちらにいる。砂漠や森が多く殆どが未開の地になっている。
行くとしたらマラーシか。武器を強化しないとな。良し。行ってみるか。
船のチケットを取りにギルドまで行く。次の船は1週間後らしい。
一応武器の素材にいいものが無いか探してみよう。やはり金属か魔物素材か。
草原にはこれも未確認だが巨大な大蛇が居るらしい。その大蛇の鱗や牙は武具に使えるらしいが…。カエルに苦戦したのに蛇は無いな。
なら金属か?それだとミスリルか。うまくいかないもんだな。
まぁ仕方ない。今できそうなのは少しでも金を貯めておく位か。
海岸で狩りしておこう。
1週間はあっという間に過ぎた。
朝から出発するが、船旅は10日ほどだ。部屋は2部屋取っている。普通の部屋だが狭い。二段ベッドの他はテーブルと椅子があるだけだ。これでも個室なだけましな方ではある。これでもいい値段がした。
ランクの低いチケットだと大部屋で雑魚寝とかになる。空間が限られているので当然だけど。
やることはあまりないが初めての船旅を楽しみたい。
酒場もあるが船酔いが大丈夫なら行ってみたい。
今はデッキにあるテーブルでルナと2人だ。ミナとマミは船を探検しにいった。
無邪気で可愛い。ルナは隣に伏せている。背中を撫でてあげると目を閉じて気持ち良さそうに欠伸をする。ルナは少し大きくなった。レベルもそうだが、大人になる事での成長で強くなっている気がする。頼りになる仲間だ。
ミナがデッキに出てきた。こっちに気付いて近づいてくる。
何か機嫌が悪い?
「どうしたの?何かあった?」
「…いえ。何も無いですよ?小さな町みたいですね。色々とありますよ。」
「…ここは種族に対する偏見が強い様ですね…。」
マミかいつの間にか後ろに来ていて小声で教えてくれた。
ああ。何があったのか分かった気がする。
「ミナ、こっちにおいで。何か食べようか。暇だし昼からお酒飲もうかー!」
「……ショウ…。あたしも飲んでいいの?」
「もちろん!」
耳に口を近づける。
「ミナが酔っぱらうとさ、可愛くてドキドキするんだ。面倒見るからダメかな?」
小声で言うとミナは顔を赤くしてこっちを見る。
「……今日は一緒に寝てくれる?」
「俺で良いならむしろお願いしたいよ?」
「じゃあ飲むっ!面倒見てねっ?」
元気になった。ミナは元気で笑顔が可愛い。
「うふふ。今夜はルナと二人ですねぇ。」
「マミありがとう。ミナ取ってゴメンな?今日だけで良いからさ。」
「大丈夫ですよぅ。ミナが悲しむのはあたしも辛いですからね。それより今度はあたしもショウさんと寝たいですぅ。」
「……辛いときあるのか?」
「え〜酷くないですかぁ?あたしだって寂しいときありますよぅ?」
「冗談だよ。……いつでも来ていいぞ。」
まだ明るいがやること無いのでおおいに飲んだ。ミナは食欲も凄かったし、酒も飲んだなぁ。やっぱり酔うと可愛い。
「えへへ〜。ショウに可愛いって言われちゃったぁ♥」
嬉しそうなので頭を撫でてあげる。
「やぁんショウもっと〜撫でて」
へろへろな感じで抱きついて来て完全に身を任せている。
「大丈夫か?流石に飲みすぎだろ。」
「うふふ。面倒見てねぇ♥」
仕方ない。マミに先に戻ってると伝えて部屋に帰ってきた。
取り敢えず水を飲ませる。
「ショウ飲ませて♥」
ヤレヤレと思いながら飲ませてあげる。コクコクと水を飲んでおとなしくなった。
「……」
「ん?どうした?」
「………ショウは…獣人…嫌ですか?」
「……。獣人とか人間とかどうでもいいと思うよ。獣人だろうが人間だろうが、エルフだろうが嫌な奴はいるし良い奴だっているよね。そもそも仲間に魔物さえ居るし。で、俺は昔からミナが好きだよ。獣人とか人間とか関係なく、ミナがミナだから好きなんだよ?ミナに嫌な思いをさせるなら王様だろうが神様だろうがぶっ飛ばす!」
黙って俯いてるミナの頭を撫でてあげる。
「……獣人にだって人間を蔑む奴はいるだろ?そいつ等に俺が嫌われてたら、ミナは俺を嫌いになるのか?」
「なるわけないじゃないですかっ!」
「だよね。俺も同じ思いだよ?」
「ショゥ〜!」
ギュッと抱きしめてくるのでそれに応えて強く抱きしめてあげる。頭を撫でておでこにキスする。
「あっ♥…あたしも……好きですよ♥」
「今日は飲みすぎたみたいだからもう寝よっか。」
「お願いします♥」
翌朝、隣で丸まって寝てるミナは可愛くて、とても安心したような笑顔だ。いい夢見てるのかな?
起こさない様にそっと起きて部屋をでてデッキへ行ってみる。
太陽は既に登り海を金色に輝かせている。
「ミナは落ち着いたようですねぇ。昨夜はお楽しみでしたか?」
マミが隣に来てニヤニヤ顔で聞いてくる。
「お楽しみじゃねーよ。でも、ありがとな。ミナを心配してくれて。」
「今度は私と寝てくださいね?」
「本気なら考えとくよ。…マミは辛い時ないのか?前も聞いたな…」
「あるに決まってますよぅ〜。今だって辛いですぅ。」
軽く話せるのが救われるな。強いんだなぁ。
「…朝飯たべよう。」
ミナも起きていた。「おはよー」「おはようございます」
「ショウっ!昨日はごめんなさい。あと、ありがとう。嬉しかった。」
「元気でて良かった。マミも心配してたから元気なミナを見せてあげてね。」
「うん!」ぎゅうっと抱きついてくるので、優しく抱きしめて撫でてあげる。
「ショウに撫でられると安心する。人にどう思われてももう気にならなくなる。不思議。」
デッキに行くとマミとルナが席をとっていてくれた。元気に手を振ってくれる。
俺は軽く手を挙げ、ミナは走って行った。
代わりにルナがこっちにくる。
「よしよし、昨日はありがとうな。寂しかったか?」
銀色の毛を撫でてあげると気持ち良さそうに目を閉じてもっと撫でてとすり寄ってくる。
首やお腹も撫でてあげると満足して、ご飯食べようっ?て感じに先導してくれる。
さて今日はどうするか。




