リグロさん
目が覚めると薄汚れた天井が見えた。
「ユミ!大丈夫ですか?」
「ここは・・・?」
「リグロしゃんの家でしゅ。ユミがリグロしゃんの網にかかっているところを助けて貰ったでしゅ」
そっか、たしか河で・・・あっ触手出し放しだよ・・・
「お~嬢ちゃん目が覚めたか、イカの魔物のくせに溺れるとは情けないな~」
この人がリグロさんか。筋肉ムチムチのリザードマンだ。
「この度はお助けいただいてありがとうございます」
「礼ならルルナに言いな。号泣しながら助けを求めてきたんだ」
「ルルナありがと♡。あと僕はイカの魔物じゃないです。一応人間だと思います」
「そ・・そうか・・」
リグロは触手を見ている。
「父が言うには僕は悪魔付きらしくて、河に捨てられ、今に至るです」
リグロさん号泣してるよ。
「なんて奴だ!こんな可愛い嬢ちゃんを捨てるなんて!」
「嬢ちゃんはギザ王国からきたんだろ。あそこは人間至上主義の国だからな・・」
「ここは永世中立国リペン。人間も亜人も共存する国だ。嬢ちゃんはこれからどうしたい?」
「勉強したいです」
「うわはっは。この国は勉強にはうってつけだぞ。この国の子供は12才になるとみんな学園都市アモイの学校に行くんだ。アモイには世界中から学生が集い競い合う。アモイは学生だけでも10万人以上いるって話だ。リペンが中立国家だからこその奇跡だ」
「嬢ちゃんは俺の家に住んで金を貯めろ。12才になったらアモイに行って学校に行けばいい」
「ありがとう・・リグロさん・・・お礼は体で払うね・・・チラッ」
ゴッツンと拳骨が飛んできた。
分かってるよリグロさん。いい人って分かってるからこその冗談だよ。