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プロローグ
子供の頃、世界の全てには理屈があると思っていた。
解決しない事件などなく、問題もない。
「君は本当に凄いね」
「いつか、私のことも助けてね」
それが誰だったかは覚えていない。
だが、稀に夢に見る。
子供が大きな世界に願った小さな希望。
彼女が流した涙。
いつか会おうと約束したあの少女。
彼女が今何をしているのかは知らない。
どうせ子供が交わした緩い約束だ。
それでも、たまに考える。
彼女がいたら、今の僕は変わっていたのだろうか、と。
朝が来た。
今日も騒がしい少女達との日常を過ごす。
さぁ、推理の時間だ。