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クロウの剣  作者: 山と名で四股
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0話 世界創造

 ユーロピア大陸


 神が作ったその大陸に、神は数多の種族を創造した。


 神は、創造した種族の長達を集めこう言った。


「自らを高め種族を発展させよ。皆の中で最も繁栄した種族をこの世界の主とする」


 すると竜の種族の長が神に問う


「神よ。他の種族の者を殺し根絶やしにすれば世界は最後に残った種族のものとなるのではないか」


 竜の種族は、集まっている種族の中で最も力の強い種族だ。


 すると神は


「お前達の世界には理があるのでそのような事はできない」


 と答えた


「神よ。理とはどのようなものなのでしょう」


 納得いかない竜の長はさらに問う


「共生の理がある。お前達がその世界でどのような関係となろうともそれを咎める事はしない。それが競争の結果であるのならばそれを受け入れよう。しかし、種族を根絶やしにするような行為は受け入れらない。もし、他の種族の者を殺め滅ぼすような事をすれば、必ずその報いを受ける事となる。これが共生の理だ」


 他の種族の長達は安堵し、竜の種族の長は歯噛みした。




 新たに作られた世界ユーロピア大陸にそれぞれの種族は送られ、与えられた土地で独自の生活を始める。ある種族は土地を切り開き畑を作り、ある種族は森と共に生きる道を選ぶ。


 しかし、神の言葉に納得のいかない竜の種族は、神の言いつけを守らずにすぐ側で暮らす種族に襲いかかった。強い身体で、その種族の戦士を叩き伏せ。口からは炎を吐き女子供を燃やし尽くす。このままでは、襲われた種族が全滅するのではと思えた時。襲われていた種族の中に竜を凌ぐほどの力を持つ者が生まれた。その力を持った若者は、剣すらはじく竜のうろこをも簡単に引き裂き、竜の吐く炎も魔法で跳ね返す。一方的に襲っていた竜の種族は、そのたった1人の若者に種族の大半を殺される。


 このままでは、全滅するのは竜の種族だと理解した竜の長は、神に願った。


「神よ。どうかお許しください。理を破りし我らにどうかご慈悲をお与えください」


 すると神が竜の長に答えた


「竜の種族が、この世界の主となる権利を捨てるのならば、竜の種族を助けこの世界に残してやろう」


 竜の種族の長は、迷わずに答える。


「わかりました。この世界の主となる事は諦めます。どうか種族が残る事だけはお許しください」


 竜の種族の長の願いを聞き入れた神は、竜の種族の生き残りを神が住むと言われる山脈の麓に移しそこで暮らすことを許した。


 竜の種族から襲われ全滅することを回避した種族である人族の中に誕生した若者は、勇者と呼ばれ人族の中でもてはやされたが、いつしか姿を消し歴史の中に埋もれていった。人族の中には、勇者信仰と竜を退けたと言う誇りだけが脈々と受け継がれていくこととなる。



 そして、それから数百年の月日が流れて行った……





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