表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5th world   作者: リープ
一章 少年たちは変わった世界の中に巻き込まれていく
8/68

7話・マドンナと万引き少年。そして行使

俺と相田はファミレスから出て歩いていた。


「中川君はああいうタイプの子が好きなんだね」

相田が聞いてきた。

「そうだな。清楚系が好きらしい。」


前に中川が『あーあ、俺の周りに新谷結衣が居たらなー』と言っていた。新谷結衣は今をときめく清楚系の女優だ。その中川の発言に俺が『居てもお前には近づかねーよ』と言ったら珍しく納得していたのを思い出した。


「あんな恰好してるのにね」

相田は悪戯っぽく笑った。そして続けた。


「普通の恰好してればなかなか良いのに」

お前が言うと皮肉にしかならないぞ。






それから相田と別れバス停に向かう途中のコンビニに寄ったら藤崎が雑誌を立ち読みしているのを見かけた。俺には気づいてないようだ。


藤崎は俺たちの学校の、これまた国語教師で生活指導もやっている女性の教師だ。


同じ国語の教師でも藤崎は生徒の間でとても人気が高かった。

なぜならとても美人でさらにスタイルも抜群だったからだ。

むろん男子生徒からの人気は高く、その美しく凛とした佇まいは女子生徒の憧れでもあった。


あの中川が『この恰好をしてるのは藤崎に叱られるためでもある』と言わせるほどである。


そんな藤崎がコンビニで立ち読みをする姿は俺でもグッとくる。きまくる。




しかし俺はすぐにほかのことに気が付く。

コンビニの中で明らかにきょろきょろしている男の子がいる。中学一年生くらいだろうか?

その子をじっと見ているとその子の手が小さめのお菓子に伸びそのお菓子をバックに入れようとしていた。

明らかに万引きだ。


俺はそれに気づきポケットに手を入れた。

ポケットの中にはファミレスのレシートが入っていた。会計ぴったりに出したのでおつりはない。





そして俺は『あること』をした。





男の子は持っていたものバッグに入れ、そのあと他のお菓子を普通に買いコンビニを出て行った。

さすがにあのまま出ていくのはおかしいと思ったのか。

きっと彼が求めていたのはお菓子自体ではなくスリルなのだろう。


俺もそれについていくようにコンビニを出た。


そして男の子はコンビニの駐車場でバックの中を確認した。そして目を見開いた。

明らかに驚いている顔だ。

きっとそこにはさっきまで俺のポケットにあったレシートが入っていたのだろう。


そしてあの少年が持っていたお菓子は・・・


・・・あ



・・・俺は万引きをしてしまっていた。



俺のポケットには万引き少年が持っていたお菓子が入っている。


今日の昼に中川から指摘されたときは本当に驚いた。結果的に驚き損だったが。




そう、




おれは能力者だった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ