さらなる事件
次の日の朝。
コンコン
俺たちの扉がノックされた。
「はい。」
俺が扉を開けるとヒミノさんがいた。
「ああ。おはようございます」
「おはようございます。みなさんこれから食堂に来てください」
「えっと。それより・・・」
俺は昨日起こったことをヒミノさんにも話そうと思った。
「昨日のことは木野さんから聞きました。そのことで話があるそうなので食堂に来てください」
話?誰からだ?
それからヒミノさんは佐山さんたちも呼びみんなで食堂に向かった。もちろん藤崎と刈田も一緒だ。
「ああ。来たね」
そこには木野、そして本間と熊沢がいた。
話は彼らからか・・・
本間と熊沢は立ち上がり俺たちのほうを向いた。
「まず初めに。昨日の夜は本当に申し訳なかった」
「悪かった」
本間と熊沢は深々と頭を下げた。
「でも信じてもらえるか分からないがあの時の俺たちはおかしかった。自分の意志とは関係なく殺意がわいてきたんだ」
「いや。信じますよ。だから頭を上げてください」
俺は促した。
「信じてくれるのか?」
本間たちは顔を上げて聞いた。
「ああ。俺たちは同じような状況に一度会ってるからな」
「え!?それは本当か!?」
中川の言葉に屋敷の人間たちは驚いた。
「はい。数週間前に・・・」
そして俺は前に起こった出来事を話した。
「あの時は本当にごめんなさい」
藤崎はまた謝った。
思い出させてしまったようだ。心が痛む。
「そんなことがあったのか。俺たちと同じだな・・・」
「俺たちはこれを能力者の力だと思っているんですけど何か心あたりありませんか?」
俺の質問に本間たちは数秒間悩んだ。
「悪い。思い当たる節がない」
「そうですか・・・」
結局何もわからずじまいか・・・。
「あれ?そういえば貝原さんは?」
佐山さんが気づいた。
「そういえばいないね。」
「私が呼んできます」
ヒミノさんは貝原を呼ぶために部屋を出た。
「せっかくだし手紙のことも話しちゃわない?」
相田が小さい声で提案してきた。
「そうだな」
どうせここまで話してしまったのだからそっちのほうが早いかもしれない。
俺は佐山さんを見る。
「分かりました。
皆さんはこの手紙に見覚えありませんか?」
佐山さんは本間に手紙を渡した。
「うーん。俺は何も分からないな」
「俺もだ」
「僕も見覚えはないね」
「これに呼ばれて君たちはここに来たのか?」
本間は聞いてきた。
「はい。でも誰が出してきたのか分からなくて・・・」
「そうか。すまないが俺たちも力になれそうもない・・・」
「いえ。大丈夫です。」
すると突然扉が開く。
「みなさん!貝原さんが!貝原さんが居ないんです!」
ヒミノさんが俺たちに叫んだ。
そして俺たちはヒミノさんに連れられて貝原の部屋に行った。
そして扉を開けると・・・
「うわ。これはひでーな」
貝原の部屋はぐちゃぐちゃに荒らされていた。
そして机の上にはナイフが突き刺さっている。
あのナイフ男のものだ。




